2024 Fiscal Year Research-status Report
骨粗鬆症の悪環境を逆手に取って治療するハニカム人工骨の開発
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23K18593
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 幸壱朗 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80580886)
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| Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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| Keywords | DDS / 骨粗鬆症 / ハニカム / 生体材料 / バイオセラミックス |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、炭酸アパタイト製のハニカム構造を有する顆粒体(炭酸アパタイトハニカム顆粒)をドラッグデリバリーシステム(DDS)の薬剤担体として活用し、骨粗鬆症の進行度に応じた薬剤放出と骨再生の実現可能性を評価することを目的とした。炭酸アパタイトハニカム顆粒は、顆粒全体を貫通する六角柱状のマクロ気孔を有しており、この構造が薬剤の保持および放出制御に寄与すると考えられる。さらに、マクロ気孔の内壁にはマイクロスケールおよびナノスケールの空間が形成されており、我々はこれらの微細構造を精密に制御する製造技術を既に確立している。 本年度は、こうした構造的特徴を活かし、骨粗鬆症治療に用いられる抗体薬を炭酸アパタイトハニカム顆粒内部に効率的に封入することに成功した。加えて、骨粗鬆症特有の環境変化に応答して薬剤の放出挙動が変化する機能性を付与することにも成功し、環境応答型DDSの基盤構築が可能であることを実証した。 さらに、ヒト骨芽細胞を用いたin vitro試験により、炭酸アパタイトハニカム顆粒を薬剤担体として使用することで、細胞の増殖促進および骨分化誘導が確認された。これにより、本材料が単なる薬剤キャリアとしてだけでなく、骨再生を誘導するバイオアクティブマテリアルとしても機能することが示唆された。 本研究成果は、関連分野の学会より高く評価され、招待講演という形式での発表を行ったほか、原著論文としても学術誌に掲載されており、学術的・応用的両面から注目を集めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り研究を遂行することができているため。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在のところ当初の計画通り研究を遂行することができており、今後も計画に従い研究を遂行する。令和7年度は、骨粗鬆症モデル動物を用いた実験により、炭酸アパタイトハニカムをDDS担体として用いた骨粗鬆症治療の有効性について評価を行うことを計画している。
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| Causes of Carryover |
病理組織標本や実験動物を発注しているが、これらは納品までに時間を要するものであり、2024年度には納品されなかった。しかし、2025年度には納品されるため、2025年度研究費から支出する。
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