2023 Fiscal Year Research-status Report
薬理学的研究と臨床研究に基づくステロイドによる不眠の治療アルゴリズム構築
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23K19400
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
重面 雄紀 京都大学, 医学研究科, 助教 (80983189)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 不眠 / ステロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ステロイドによる不眠のメカニズムを明らかにし、ステロイドによる不眠症状を改善するためには、どのような睡眠薬が効果的であるかを薬理学的視点から明らかにすることである。2023年度では、ステロイド不眠発症の動物モデルの作成と各種睡眠薬の効果の検討を行い、2024年度ではステロイドを含むがん化学療法後の不眠症に対する睡眠薬の有効性の検討を臨床研究で行う予定であった。 これまでに、簡易の睡眠試験により、デキサメタゾンの様々な投与量、投与期間を試し、睡眠時間が短縮する条件を確立した。さらに、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、オレキシン受容体拮抗薬といった薬理機序の異なる睡眠薬の効果の検討や睡眠関連因子の評価系の検討も開始している。 一方で、臨床研究は2024年度に開始予定であったが、2023年度内に研究体制の構築および研究計画の立案が完了し、倫理委員会への申請を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度では、(1) ステロイド不眠発症の動物モデルの作成と各種睡眠薬の効果の検討を行い、2024年度では (2) ステロイドを含むがん化学療法後の不眠症に対する睡眠薬の有効性の検討を行う予定であった。 (1)の課題については、動物モデルの作成が完了し、各種睡眠薬の効果の検討や睡眠関連因子の解析を2024年度に実施する予定となった。一方で、(2)の課題を同時に進めることができており、当初の計画とは若干異なる部分はあるものの、研究計画全体としては概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では、(1) ステロイド不眠発症モデル動物を用いた各種睡眠薬の効果の検討および睡眠関連因子の探索、(2) ステロイド投与患者を対象とした睡眠薬の有効性の検討を計画している。 (1) の課題については、不眠を発現したモデル動物の検体を用いて、睡眠関連因子の定量および解析をする予定である。現在、LC-MSまたはELISAによる予備検討を開始している。一方、(2) の課題については、活動量計または簡易脳波測定機を用いた客観的睡眠評価によって、信頼性の高い臨床研究を計画している。現在、倫理委員会への申請を進めており、承認され次第開始する予定である。
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