2023 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺患者の簡便かつ高精度な身体機能評価法の確立
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23K19897
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
森山 義尚 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 客員研究員 (00980236)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | Functional Reach Test / 運動パターン / 足圧中心 / 筋電計 |
Outline of Annual Research Achievements |
慣性のセンサー式スーツ型三次元動作解析装置(e-skin MEVA)の納品が2024年3月となり、2023年度は、健常成人を対象に、筋電計、床反力計を用いて、通常のFunctional Reach Test、および、壁面に身体背面を接触させ、身体の後退を制限することで運動パターンを規定したFunctional Reach Testの測定、および解析を行なった。
健常成人20名を対象とした通常のFunctional Reach Testと壁面に身体背面を接触させ、身体の後退を制限することで運動パターンを規定したFunctional Reach Testの比較では(通常/規定)、リーチ距離(33.7±5.4cm/22.0±4.4cm)、足圧中心位置(17.4±1.8cm/18.3±1.7cm)、母趾外転筋筋電積分値(0.16±0.08mv/0.21±0.08mv)に有意な差を認めた。また、運動パターンを規定したFunctional Reach Testでのみ、リーチ距離と足圧中心位置との間に有意な相関を認め(r=0.64)、通常のFunctional Reach Testでは有意な相関を認めなかった。
これらの結果から、通常のFunctional Reach Testに比べ、運動パターンを規定したFunctional Reach Testは、リーチ距離は短いが、足圧中心位置はより前方に位置し、母趾外転筋の筋活動が高く、リーチ距離が足圧中心位置を反映するという特徴が示唆された。 2024年度は完成センサー式スーツ型三次元動作解析装置(e-skin MEVA)を用い、脳卒中片麻痺患者での運動パターンを規定したFunctional Reach Testの研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究で使用するスーツ型三次元動作解析装置(e-skin MEVA)の購入にあたっての前倒し申請が必要であった。その申請の承認後の購入となり、納品が3月となったため、スーツ型三次元動作解析装置を用いた本研究の開始は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
スーツ型三次元動作解析装置(e-skin MEVA)が3月に納品され、機器の動作確認等を行なった後に、研究対象者(脳卒中片麻痺患者)での研究を開始した。引き続き研究対象者でのデータの蓄積に努め、データをまとめ、学会発表、論文投稿と進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2024年度には、研究対象者への謝礼金、研究発表のための学会参加費・旅費・交通費、国際誌の投稿のための英文構成費、論文投稿費として使用する必要があるため。研究対象者への謝礼金はデータ収集期間に必要であり、その後、研究データの公表にあたって、学会参加費や、論文投稿費等を使用する予定である。
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