2020 Fiscal Year Annual Research Report
Non-perturbative spectral analysis of quantum field theory by stochastic analysis and semi-classical approximation
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20H01808
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣島 文生 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00330358)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 場の量子論 / ファインマン・カッツ公式 / くりこみ / 熱半群 / スペクトル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年末から世界的に拡散したコロナ禍で研究活動が制限されたことは非常に残念であったが, オンライン環境を活用して研究活動を継続することができた。京大数理研の短期共同研究などは、完全にオンラインでのビデオ会議となった。オンライン上で研究者と意見を交換することができた。場の量子論に関する研究に関しては、オンラインのセミナーに参加することができた。海外から招聘を予定していた研究者を招聘することができなかったが、オンラインで研究打ち合わせなどを行うことができた。2022年からコロナ禍が終息に向かい、本格的な研究活動を再開できた。 2023年1月に、京大数理研で完全対面で研究会を開催した。また、ミラノ工科大(イタリア)、レンヌ大(フランス)、オーフス大(デンマーク)、サマルカンド大(ウズベキスタン)、ミュンスター大(ドイツ)で講演・研究会参加を行なった。 場の量子論の測度論的な研究では、(1) くりこんだネルソン模型の基底状態の減衰性を下から評価することに成功した。これは長年の夢だったので非常に感動した。これは、Oliver Matteと共著でPoint-wise spatial decay of eigenvectors in the Nelson modeとしてまとめ、現在投稿準備中である。(2) 並行移動不変なネルソン模型の運動量が非零な場合の熱半群の正値改良性を示した。これは,Positivity of semigroup generated by translation invariant Nelson Hamiltonianとしてまとめ、現在投稿準備中である。(3)Wigner測度による準古典近似の理論をPF模型で示した。これも, Zied Ammari, Marco Falconiと共著でFrom the quantum to the classical electrodynamics of charges and fieldsとまとめ、国際誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) くりこんだネルソン模型の基底状態の減衰性を下から評価することに成功。(2) 並行移動不変なネルソン模型の運動量が非零な場合の熱半群の正値改良性を示した。これらの研究成果は非常に困難を伴うものであったが、予想を超えて示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1) Wigner測度による準古典近似の理論を完成させる。 2) 一般的なポテンシャルに対してくりこんだネルソン模型の基底状態の空間減衰性を確立させる。
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