2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring neutrinos at the TeV-energy frontier with FASER
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20H01919
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
音野 瑛俊 九州大学, 先端素粒子物理研究センター, 助教 (20648034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 智子 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (00802208)
田窪 洋介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50423124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | FASER / LHC衝突点前方 / ニュートリノ / シリコン検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
FASER実験はLHCのビーム衝突点の480m前方にFASER検出器を設置し、未知粒子の探索と高エネルギーニュートリノの測定を目指している。本研究では未知粒子探索のための検出器(シリコン飛跡検出器、ダイポール磁石、シンチレーター、カロリメータ)と高エネルギーニュートリノ測定のための検出器(タングステン板とエマルションフィルム、シンチレーター)の間に新たにインターフェース検出器を追加することで、全ての検出器を統合した物理解析を目的としている。
2023年のLHC第3期運転においても、2022年に引き続いてインターフェース検出器を含む全FASER検出器を稼働させ、安定したデータ取得を実現した。検出器較正のためのアルゴリズムを改善することで、インターフェース検出器と飛跡検出機の性能評価を容易にしている。2024年3月の国際会議において、2022年と2023年にインターフェース検出器を含む未知粒子探索のための検出器が取得したデータを用いた解析結果として、Axion Like Particle (ALP)と呼ばれる新粒子に対して未開拓領域での探索(残念ながら新粒子発見には至らず)を報告した。
エマルションフィルムを用いたニュートリノ反応の再構成についても大きな進展があり、2022年の取得データの一部を用いて電子型ニュートリノを4イベント観測した。これは衝突型加速器が生成する電子ニュートリノの初観測である。さらに、8イベントのミュー型ニュートリノの観測にも成功している。インターフェース検出器の飛跡検出器に対する相対位置の決定(アラインメント)はアルゴリズムの初期値を設定する手法を刷新することで、大きく改善した。全ての検出器を統合した物理解析に向けた準備が概ね整ったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LHC第3期運転の2年目となる2023年においてもFASER実験は安定したデータ取得を実現し、インターフェース検出期を含む全検出器が安定して稼働している。新粒子探索とニュートリノ研究の双方で最新結果を2024年3月の国際会議で発表した。本研究で推進する全ての検出期を統合した物理解析に向けたアラインメントも最終段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年は本研究期間の最終年度となる。インターフェース検出器のアラインメントを完了させ、エマルジョンフィルムとシリコン飛跡検出器がそれぞれ再構成する飛跡を結合する。そしてシリコン飛跡検出器が測定する電荷と運動量をニュートリノ反応点の情報に追加し、特にミューニュートリノについて正反ニュートリノの分離、エネルギー分解能の向上を実現する。
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