2022 Fiscal Year Annual Research Report
古建築用語の相互訳及び英訳を通した系統的把握による東アジア木造建築史の基盤構築
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20H02343
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
鈴木 智大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (60534691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 悠希 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80790815)
海野 聡 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00568157)
李 暉 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, アソシエイトフェロー (30772751)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 東アジア建築史 / 日本建築史 / 中国建築史 / 韓国建築史 / 建築用語 / 共通語 / 固有語 / 比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東アジア木造建築史の創生に向け、東アジア各国・各地域の木造建築について、社会的・技術的・自然環境的な側面から総合的に比較する研究構想の一環として実施するものである。 日本と中国・韓国における伝統的な木造建築に関する歴史的な用語の相互訳(日⇔中、日⇔韓)および英訳を通して、各国の建築に対する認識のずれを論点として抽出するとともに、比較研究の環境を整備する。さらに国際研究組織による時間軸に沿った系統的把握を通して、東アジアにおける建築文化の共通性、各国の建築の発展の特質を見出すことを目指す。 第3年度となる2022年度は、日本建築史に関する書籍の中文訳、韓国建築用語に関する書籍の和訳を重点的におこなった。 その成果の一部は、李暉監訳・高橋知奈津監修、呉肇釗『園冶図解』(科学出版社東京、2023年)に収録し、公開した。また日本建築用語について、理解しやすい図の作成をおこない、その翻訳を実施した。 また2022年6月には、東南大学・上海ニューヨーク大学・ヴァンダービルト大学による国際研究会において、基調講演として、「翻訳を通した東アジア木造建築用語の比較研究」と題して、研究成果の発表をおこなった。9月には、日本建築学会大会において、研究成果の発表をおこなった。日本から宋へと渡航した僧侶による日記にみられる建築用語から、日本・中国両国の建築とその用語について考察したものである。 なお、当初、年度内に国際研究会を実施する予定であったが、各国間で調整がつかず、翌年に繰り越したが、2023年度に無事開催することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度末開催の研究会は各国間で調整がつかず、2023年度に延期したが、無事開催することができた。 建築用語翻訳の個別成果も上がっており、研究全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、各国建築用語の翻訳を積み上げると同時に、図版に落とし込むことで、各国間で共通認識を構築しやすい環境を整える。
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Research Products
(5 results)