2022 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic game analysis of international environmental agreements
Project/Area Number |
21H00717
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤尾 健一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30211692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上東 貴志 神戸大学, 計算社会科学研究センター, 教授 (30324908)
西村 和雄 神戸大学, 計算社会科学研究センター, 特命教授 (60145654)
和佐 泰明 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60793560)
石井 仁司 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (70102887)
内田 健康 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (80063808)
阪本 浩章 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (80758996)
鈴木 詩衣菜 聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (80780121)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際環境協定 / 動学ゲーム / Payoff dominant 均衡 / 区分的に連続な戦略 / 協調ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い、非対称2人微分ゲームとして国際環境交渉をモデル化し、その均衡経路を分析した。モデルは LQ モデルである。このような研究は対称モデルに関しては1980年代から行われてきたが、非対称モデルの非線形ナッシュ均衡の分析は手付かずの状態にある。 前年度の研究によって得られた Markov perfect NE(MPNE) の必要条件をもとに、引き続きその解析的特徴づけを試みた。いくつかの試行の末、安定定常解の候補を分析することにした。予想できることだが、対称ゲームの対称均衡とはかなり様相が異なることが明らかになりつつある。たとえば、十分に汚染水準(stock variable)が大きい場合、いかなる汚染排出水準(control variable)もMarkov NEの安定定常解を構成できる。一方、汚染水準が低くなると、一方の汚染排出水準が大きく、他方のそれが小さい組合せにおいてMarkov NEの安定定常解が構成される。ただしこの場合も均衡定常汚染排出水準は一意的ではない。 非対称2人微分ゲームのナッシュ均衡間の利得優越を明らかにすることが本研究の1つの課題であるが、その参照点として(非対称)協力解について研究を進めた。対称ゲームとは異なり、協力解は各playerの利得に対するウェイトの関数として表現される。ウェイトと定常解は興味深い関係があることを明らかにした。 このようなモデルを分析するための基礎的な研究として、単一主体の非凸最適制御問題(規模の経済をもつ新古典派経済成長モデル等の応用がある)についても研究を進めた。解の存在、解の一意性、定常解の存在と特徴づけについて結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非対称動学ゲームのマルコフ完全ナッシュ均衡の候補を数値的に得ることができたため。その特徴づけのための解析的な分析をおこなう手がかりが得られた点ことから、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
非対称微分ゲームの非対称マルコフ完全ナッシュ均衡(MPNE)を解析的に特徴づけること。そのような解は無数に存在するため、前年度に得た long-run envy freeを満たすMPNEについて調べる。また、 long-run envy free協力解を分析する。
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