2023 Fiscal Year Annual Research Report
18歳からの20年間のパネル調査によるライフコース研究:自立と家族形成を中心に
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21H00767
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 香 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (10313355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 由希子 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (00570821)
卯月 由佳 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (00718984)
三輪 哲 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20401268)
西野 理子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50257185)
鈴木 富美子 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (50738391)
元治 恵子 明星大学, 人文学部, 教授 (60328987)
伊藤 秀樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80712075)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 若年者 / パネル調査 / キャリア形成 / 家族形成 / 自立プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、オンラインによって合計8回の事務局打ち合わせと5回の研究会を開催し、Wave20の本人調査およびWave6の配偶者調査を郵送法による質問紙調査で実施した。本人調査の回収数は353件(回収率26.3%)、配偶者調査の回収数は181件(回収率63.5%)、ペアでの回収数は179組であった。 2022年度に実施したWave19の調査データ(対象年齢:36~37歳)の基礎分析においては、本人の親としての教育意識に焦点をあてた。男性の有子率は18.4%、女性では59.0%である。Wave8,Wave15,Wave19の3時点すべての回答者に限定して時系列の推移をみたところ、「子どもにとって重要なこと」のうち「学校の部活動で活躍すること」が大きく減少していることがわかった(6割→3割)。一方、「4年制大学に入ること」は、時間とともに重視されるようになっている。とくに本人または配偶者が大卒である場合は、進学が重視され、部活動が重視されなくなっている。 本調査で継続して質問している「進路選択満足度」についての分析からは、現在の状況に満足していると、過去におこなった進路選択を高く評価する傾向が存在することが明らかになった。現在の状況を規定するのは、①女性では配偶関係、②階層帰属意識、である。さらにパネルデータの分析からは、①男女とも正社員や公務員以外の形態での就業から就学に変化すると進路選択満足度が高くなる、②男性では転職経験者と非経験者とでは経験者のほうが進路選択満足度が低いが、転職経験者個人にとっては転職によって進路選択満足度がたかくなる、の2点が示された。 また、Wave5までの配偶者調査データをもちいて、①個人・クロスセクション分析とダイアド・クロスセクションデータ分析との比較、によってダイアド・パネルデータ分析の可能性を探索的におこなう研究もおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画通りに調査を実施して分析を進めており、成果の発表もおこなっている。配偶者調査もWave6まで蓄積されており、ダイアド・パネルデータの分析も複数のメンバーによって進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度にはWave21の本人調査およびWave7の配偶者調査を実施する計画である。2023年度に続き、今年度もインタビュー調査を実施する。これまでに蓄積してきたインタビュー調査データの分析にも注力する予定である。
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