2023 Fiscal Year Annual Research Report
攻撃力の非対称性と移行による外集団攻撃の心理メカニズムの解明
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21H00934
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
三船 恒裕 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (00708050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 良夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40453972)
多湖 淳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80457035)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 先制攻撃ゲーム / 外集団攻撃 / 非対称 / 最小条件集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は攻撃力の非対称性実験を継続して行った。未発表の先行研究では、最小条件集団における先制攻撃ゲームにおいて攻撃力の高低を操作した場合、攻撃力の低い条件において内集団相手よりも外集団相手への攻撃率が高まるという結果が得られていた。ただし、サンプルサイズ不足や操作チェック不足などの問題があったため、2022年度から2023年度にかけて再現実験を実施した。その結果、先行研究とは異なり、攻撃力の高い条件において内集団相手よりも外集団相手への攻撃率が高くなるという結果が得られた。攻撃力が低い場合には内集団相手でも外集団相手でも攻撃率が高まる傾向が見られた。ただし、予想よりも多くの参加者が操作チェックに誤答していた。誤答した参加者を除外した場合にサンプルサイズが予定数に届かなかったため、新たに相手がどちらの集団かわからない条件を設定し、preregistrationを行った上で再度の再現実験を実施している。目標とするサンプルサイズには到達していないため、2024年度も引き続き実験を実施する。 2023年度は他者が示した外集団攻撃に同調するかを検討する実験も行った。集団間囚人のジレンマ・差の最大化ゲームを用い、参加者は内集団の他者一人が先に意思決定する場面に直面する。この時、この他者が内集団協力と外集団攻撃の両方を達成する集団間プールに全額を投資する場面を見た参加者が、自身の元手を、手元に残す、集団内プールに投資する、集団間プールに投資する、の3つの選択肢にどう配分するかを測定した。結果、統制条件と比べて有意に集団間プールへの投資が高まった。同様の実験結果は参加者の国籍や状況などを変えて行った4つの実験でも一貫して得られている。2024年度にも追加実験を行い、論文として投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未発表の先行研究で得られた知見の再現性を確かめる実験は本研究計画の基礎をなす重要な実験である。2023年度までに再現性が疑われる知見が得られたため、引き続き、外集団攻撃がロバストに生じる条件を探る実験を行っている。さらに、外集団攻撃を促進させる新たな要因の発見につながりうる実験も開始し、論文化までもう一歩というところまでデータを収集している。その他にも外集団攻撃の心理メカニズムの解明に寄与しうる研究を継続して行っており、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
攻撃力の非対称性実験については実験室で丁寧に説明しても操作の内容を理解せずに実験を行ってしまうケースが予想よりも多く見られた。ウェブで実験を行うと操作を理解しない参加者がさらに増えてしまう可能性を示している。そこで実験室実験にこだわり、高知工科大学だけでなく早稲田大学の学生にも参加してもらい、効率的にデータを収集している。しかし、早稲田大学の参加者プールも枯渇してきており、今後は関西大学の共同利用機関にも協力していただき、速やかなデータ収集を目指す。
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Research Products
(4 results)