2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on turbulent transport for the reduction of divertor heat load
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21H01066
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小菅 佑輔 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (00700296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永島 芳彦 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90390632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 核融合プラズマ / 乱流 / 熱負荷制御 / SOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、乱流輸送によりスクレイプオフ層(SOL)の厚みを制御できるのか、という問いに挑戦する。そのためには、核融合の周辺領域に励起されうる乱流の種類やその輸送特性を把握することが必要となる。理論モデルを構築し揺動や輸送特性の分類を進め、実験データ解析による検証を進めている。 今年度の研究では、核融合プラズマの周辺領域への応用を念頭に置いたモデルの開発に着手した。すなわち、前年度までに明らかにしていた磁化プラズマにおける一発大波の励起について、周辺領域に存在する不純物粒子を含む理論モデルの開発に成功した。これにより、不純物濃度や速度を用いた一発大波の制御が理論的に可能となり、不純物の排出に関する新たな方法を提唱することができた。不純物速度が重要なパラメータであることを示し、幅広い核融合プラズマへの応用を念頭に置き、プラズマのアスペクト比に着目した不純物速度の解析に着手した。球場トカマクへの応用について端緒を得た。実験データ解析にも進捗があった。すなわち、高速掃引による電子温度揺動と密度揺動の同時取得を可能とするシステムを開発した。実際の直線プラズマ実験に実装し、0.6秒の放電に対し200MHz サンプリングによるデータ取得が可能となった。これらの成果について、プラズマ核融合学会や日本物理学会、Asia Transport Working Group などの国内外の学会にて報告した。成果を論文としてまとめ、J. Phys. Soc. Japan やPlasma Phys. Control. Fusion などの学術誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
揺動特性の分類を電子の運動やイオンの運動の違いに着目して進め、好まれる非線形構造や輸送の解析を進めることを目的としている。本年度の研究では、理論解析の主要課題である揺動の非線形発展の解析に着手し、津波の励起モデルに対して不純物イオンの効果を取り込むことに成功した。高速掃引によるプローブデータの取得にも成功し、電子温度揺動と密度揺動を評価する基盤が得られた。これらの結果より順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から磁化プラズマでは非線形的に一発大波と同様の構造が励起され、不純物イオンの存在がその励起に影響を与えることが判明した。今後の研究では、位相差を持つ電子揺動の影響や、電磁的揺動の効果を含めた系に拡張を進め、同時に一発大波の発生の頻度や確率的なノイズを含めた場合の解析に着手する。実験データ解析では、ADCの増設によって収集データ量が増大したことに伴い、データ通信の高速化を行い、各種揺動の評価及びフラックスの評価を可能とすることで、励起される揺動に応じた輸送特性の変化を捉えることに挑戦する。
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