2021 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental research on the biological action of nanosecond pulsed electric fields and its evolving to medical technology
Project/Area Number |
21H01313
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
下村 直行 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90226283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
親泊 政一 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (90502534)
宇都 義浩 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (20304553)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ナノ秒パルス電界 / 生体作用 / 癌細胞 / 小胞体ストレス応答 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ秒パルス電界印加の生体に対する影響と応答反応の機序を実験研究し,低侵襲な医用技術に結びつけることを目的に,がん細胞へのナノ秒パルス電界印加実験とナノ秒パルス電界印加による小胞体ストレス応答の誘導実験,およびそのためのパルス電界印加技術とそのシステムの開発を進めた。 両実験研究に共通して,細胞培養実験装置を導入し,パルス電界印加装置と合わせて細胞実験系を構築した。がん細胞のアポトーシス誘導に関する実験研究においては,次年度の発育鶏卵法における使用を勘案してマウス乳腺癌細胞EMT6を導入し,ナノ秒パルス電界印加実験を実施した。パルス幅20ns,65nsのパルス幅のパルスパワー発生装置が整備された。パルス電界印加により細胞生存率の低下が確認された。一方,抗がん剤ドキソルビシン塩酸塩(アドリアマイシン)との併用実験については,明確には相乗効果は確認されず,実験精度の改善が必要となった。 小胞体ストレス応答誘導の実験研究においては,小胞体ストレス応答(UPR)により緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein, GFP)を生成する293A細胞を導入し,ナノ秒パルス電界印加実験を実施した。パルス幅20ns,65ns,200nsのパルス幅のパルスパワー発生装置が整備された。パルス幅,印加電界強度,パルス数を変化させて実験を行ったところ,GFPの蛍光発光が見られたものの,有意差は確認できなかった。実験精度の改善を実施した上で,実験条件の拡大が必要なことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞培養実験装置を導入し,パルス電界印加装置と合わせて,新規に細胞実験系を構築された。両実験を開始し,一定の結果が得られた。しかし生体(細胞)実験に関する習熟が十分とは言えず,実験精度に問題が残ると考える。がん細胞の実験では,計画していたアポトーシステストが,学内設備のフローサイトメーターの故障により実施できなかった。 期間中は,感染症拡大の影響で,生物関係の装置および消耗品の納期が長くなっており,実験に支障をきたした。特に一部の消耗品については4か月ほど要した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず,生体(細胞)実験に関する習熟を含め,実験精度の向上を図る。細胞操作の技術の改善および実験プロトコルを再検討する。印加される電圧パルスの安定化・再現性向上を図るために,パルスパワー発生装置のスイッチ部の改良を実施し,電界印加電極装置およびその周辺の絶縁対策を行う。次に,印加パルスの条件拡大を行う必要があり,先の絶縁対策と合わせて,パルスパワー発生装置の高電圧発生機構の改良および開発を行う。 実施できなかったアポトーシステストを実施して実験結果を検討した後,発育鶏卵法の実験系の構築を行い,実験を行う。
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Research Products
(2 results)