2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on high-order multiplexing of radio-over-fiber transmission using wavelength- and space-division-multiplexing
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21H01331
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
前田 譲治 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (10256670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 勝美 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (60302303)
Kariyawasam Amila 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 助教 (90801192)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 光ファイバ無線 / 光単側波帯信号 / 波長多重 / MIMO |
Outline of Annual Research Achievements |
高密度波長多重およびファイバのモード多重を併用したアナログ光ファイバ無線 (ARoF) システムの原理確認を試みる。モードの異なるチャネルに多入力多出力 (MIMO) 伝送による同一の無線送受信グループを割り当て、無線受信機の MIMO 処理でモード間クロストークを等化する。またファイバの波長分散によるフェージングを回避するため、搬送波付き光単側波帯 (OSSB+C) 信号を生成して伝送に用いる。 2021年度は、2x2 MIMO 送受信装置の構築、任意波形発生器 (AWG) と高速サンプラを用いたオフライン送受信システムの構築と、マイクロ波領域における OSSB+C 信号の生成を実現した。また、これらを用いた伝送実験を行い、基本動作を確認した。 ・2x2 MIMO 送受信装置:ソフトウェア無線プラットフォーム (USRP) を用いて極超短波帯の送受信装置を構築し、アップコンバージョンによりマイクロ波領域の信号を得た。 ・AWG と高速サンプラによるオフライン送受信システム:購入した AWG によって発生したベースバンド信号をマイクロ波領域にアップコンバートし、伝送後に得られた受信波形を高速サンプラで取得してオフライン処理する伝送システムを構築した。 ・マイクロ波領域における OSSB+C 信号の生成:デュアルドライブマッハツェンダ変調器 (DDMZM) を用いて、10 GHz 以上の帯域に渡って側波帯抑圧比 15 dB 以上となる OSSB+C 信号を得た。 ・伝送実験:モード多重伝送に向けた予備実験として、偏波モードを使った 2x2 MIMO ARoF 伝送を試みた。無線受信機の伝送路推定が不可能になる偏波状態の存在を示し、その条件を理論解析と数値シミュレーションによって明らかにした。また波長多重による伝送実験を行い、波長間クロストークが極めて小さいことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標である、ARoF の波長・モード分割多重によるマイクロ波帯 MIMO チャネルの収容システムの構築とその伝送特性の評価に向けて、必要となる準備は以下の通りである。1. マイクロ波帯 2x2 MIMO 送受信システムの構築、2. 干渉チャネルを模擬するオフライン送受信システム、3. OSSB+C信号の位相シフト法による生成、4. 波長多重合分波器の導入、5. 少数モードファイバとモード合分波器の導入 このうち、2, 3, 4 は 2021 年度に完了しており、研究はおおむね順調に進展している。 2x2 MIMO 送受信装置をマイクロ波帯に対応させたシステムは、当初 2021 年度中に完成させる予定であったが、USRP 出力をそのまま用いた偏波多重実験を優先させた関係で、システムの詳細を詰めることができなかった。また、使用を予定していたデュアルドライブマッハツェンダ変調器が、すでに生産中止となって入手が困難であった。このため、2 チャネルのうちの一方を光直交変調器を用いて実施することとしたが、コロナ禍の影響により変調器の納品が 2021 年度に間に合わなかった。 一方、変調器の非線形性による波形歪が OSSB+C 信号の生成法によって異なり、その影響のファイバ伝送による変化も異なることが判明するなど、計画当初には予想しなかった成果も上がりつつある。 以上より、機材都合により一部変更を余儀なくされているものの、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で残されている準備は、a. 2x2 MIMO 送受信装置のマイクロ波帯への対応、b. 少数モードファイバとモード合分波器の導入、の2点である。そこでまず、2x2 MIMO 送受信装置のマイクロ波への対応を行い、OSSB+C 信号によるマイクロ波信号の ARoF 伝送実験を開始する。一方、2023 年度に予定していたモード多重に関する基礎的検討を前倒しで開始する。 2x2 MIMO ARoF の光伝送部分の特性を揃える必要から、光直交変調器とドライバを追加購入して、2 チャネルの OSSB+C 信号の生成を実現する。 なお 2021 年度の研究の結果、変調器の非線形動作によって側波帯の高調波が発生し、波長多重時の干渉信号となる可能性が明らかになった。このため、駆動信号の電気的予等化によって側波帯高調波を抑制することも試みる。 ARoF 信号のモード多重に関しては、まずモード間クロストークの評価を行う。1550 nm 帯で 4 つの LP モードを有する少数モードファイバ (4LP-FMF) と、4LP-FMF 対応のモード結合・分離器を購入して測定を行う。これによりモード間結合の大小と、その主要な発生原因、および環境依存性を明らかにする。 得られた知見をもとに、2 つの空間モードを使った ARoF 伝送実験を試みる。無線送受信器には構築予定のマイクロ波 MIMO 送受信装置を用い、2 系統の光区間をモード多重したシステムの伝送特性を調べる。
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Research Products
(6 results)