2023 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける公正で持続可能なフードシステム構築のための農と食の総合的研究
Project/Area Number |
21H03685
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小坂 康之 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70444487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 浩和 京都大学, 農学研究科, 教授 (50303871)
生方 史数 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30447990)
中辻 享 甲南大学, 文学部, 教授 (60431649)
佐々木 綾子 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (90613810)
大澤 由実 青山学院大学, 地球社会共生学部, 助教 (40822630)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 小農 / 環境健康志向 / 食の安全保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは2023年8月にラオス国立大学林学部を訪問し、今後の共同研究について協議したほか、共同研究者とともに、首都ヴィエンチャン、北部シエンクワン県、中部サワンナケート県の村落と市場において、食用動植物のフードシステムに関する現地調査を行った。そしてこれまでの調査結果をまとめるかたちで、ラオスの水田野草を移植栽培して販売する新しいフードシステムについて、投稿論文を執筆した。2023年9月には、ベトナム南部メコンデルタのカントー大学の研究者とともに、HauGiang省のパイナップル、DongThap省の香辛野菜、SocTrang省のロンガンとアカワケギのフードシステムの調査を行うとともに、今後の共同研究と学術交流について協議した。国内では、京都府宇治田原町と和束町の茶園で毎月1回、自然環境と生産様式の調査を継続し、投稿論文を執筆した。研究分担者は、タイと日本の昆虫食の変遷、タイの発酵食品に関わる植物利用、タイのミアンとコーヒーのアグロフォレストリー、ラオスの焼畑耕作と土地利用史、日本酒のフードシステムに関する現地調査と文献調査を行った。 また農と食に関する研究会を4回開催し(「東南アジアの自然と農業研究会」と共催)、モンゴルの農牧業の変遷、ラオスにおける苦味の嗜好と味覚、ミクロネシアの食生活、ベトナムのエビ養殖と環境認証制度について、毎回多様なバックグラウンドをもつ約20人の参加者と討論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことで、国内外の現地調査をスムーズに行うことができた。研究代表者は、海外ではラオスの野生植物の移植栽培や、ベトナムの香辛野菜の栽培と流通、国内では京都府宇治田原町と和束町で茶園の自然環境とフードシステムの現地調査を行うとともに、これまでの調査結果をまとめて投稿論文を執筆した。またラオス国立大学森林科学部の共同研究者を京都大学に招へいし、今後の研究に関する協議を行った。研究分担者らは、タイ、ラオス、日本のフードシステムに関する現地調査と文献調査を行った。そして農と食に関する学際的な研究会を4回開催し、世界各地の自然環境や社会文化とフードシステムとの相関性を議論した。このような活動内容から、進捗状況はおおむね順調と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者はラオスとベトナムにおいて、引き続き食用動植物のフードシステムに関する現地調査を実施する。特にラオスでは首都ヴィエンチャンのほか、北部シエンクワン県や南部サワンナケート県など、ベトナムでは南部メコンデルタのHauGiang省やSocTrang省などで現地調査を行う。日本では京都府の茶園の自然環境と生産様式の調査を継続する。また2024年10月に京都で開催される野生食用植物利用に関する国際ワークショップに参加する予定である。研究分担者らはタイ、ラオス、ベトナムで現地調査を継続するとともに、日本各地の農と食について比較調査を実施する。さらに「東南アジアの自然と農業研究会」と共催のかたちで、農と食に関する研究会を継続し、各回のテーマについて学際的な視点で討論を行うとともに、情報交換とネットワークの形成をはかる。
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Research Products
(7 results)