2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Tourism Experience and Religious Capital Flow in Islamic Tourism
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21H03719
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
安田 慎 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (60711653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 藍 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任助教 (00816358)
足立 真理 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD) (10848675)
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20611198)
砂井 紫里 千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (90367152)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イスラミック・ツーリズム / イスラーム / イスラーム経済 / 観光 / 宗教資源 / ライフスタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目にあたる当該研究では、2021年度からCOVID-19によって引き続き現地でのフィールド調査やヒトの往来が著しく制限されたため、予定していた国外からの研究者招聘による国際ワークショップの開催や国際的な研究者ネットワークの構築にも制限がかかる状況であった。そのため、2023年度に一連の調査内容は延期する決定を行うとともに、2022年度は文献資料調査を中心に実施する決定を行った(なお、延期した国際ワークショップについては、2023年11月にフランスで実施した)。 文献資料調査では、COVID-19下でのイスラミック・ツーリズム市場の動向を調査するとともに、そのなかで議論されてきた内容について整理していくこととなった。特に、パンデミックで国際観光市場がストップするなかで、いかにポスト・コロナに向けて観光活動をより適切なもの、持続可能なものにするのかをめぐって行われてきた一連の議論を整理していった。そのなかで、単なるムスリム観光客向けの観光設備の充実だけでなく、イスラーム的観点からの精神的充足を希求する動きが活発になっている点を明らかにした。 さらに、過去のムスリムたちによる旅行記を分析していくことを通じて、ムスリム個人やイスラーム社会にとっての旅行や観光がもつ意義について整理するとともに、現代において一連の旅行経験・観光経験がいかに活用されるとともに、イスラームの価値規範体系のなかで概念化されているのか、その思想的系譜について明らかにした。 また、当該年度内に2回の研究会を実施することで、研究分担者たちとの研究内容の共有と方向性についての確認を行った。その他にも、各研究者で過去のフィールド調査や文献資料調査の分析から明らかになった点を、研究成果として公表していった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19によるパンデミックの影響による混乱が、観光における現場やヒトの国際的な往来において継続していたために、当該研究の進捗にも著しく影響を及ぼすこととなった。他方で、徐々に渡航制限の解除や観光の現場におけるポスト・コロナを睨んだ動きもみられるようになり、2023年度以降に研究内容(フィールド調査と国際ワークショップの開催)の一部を繰り越す決定をするとともに、文献資料調査を通じたデータ収集と、イスラミック・ツーリズム市場におけるポスト・コロナを睨んだ市場関係者たちの議論を中心に実施していくこととなった。 2022年度に集中的に行った文献資料調査を通じて、イスラミック・ツーリズム市場が観光設備やインフラの整備という従来の議論から、より個人や社会の精神的充足に力点を移してきている点や、そのなかで旅行や観光がライフスタイルやライフデザインに与える社会的意義について、活発に議論が展開されている点を明らかにした点で、研究は一定の進捗を得ているとも考えられる。一連の成果は、2023年度におけるフィールド調査での円滑な研究データの収集・分析や、国際ワークショップ等を通じた研究成果の国際的な公表にもつながるものであった。 さらに、研究成果の公表ではフィールド調査が著しく制限されるなかでも、代替手段を用いながら学術論文や書籍という形で公表できてきた点は、評価できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度中に実施予定であったフィールド調査や国際ワークショップによる研究成果の公表と研究者ネットワークの構築については、2023年度に実施を延期して文献資料調査に注視したことで、結果的には多くの研究成果をあげることができた。その点で、2022年度までに遅れていた研究進捗状況は、2023年度には著しく改善したと言える。他方で、フィールド調査に基づく現場のデータ収集という観点では、2022年度までに継続的に実施できなかったことから、関連する研究者たちと協力しながら、更なる推進が行っていくことが求められる。 また、2022年度中の文献資料調査を通じて実施してきたイスラミック・ツーリズム市場の新たな方向性については、イスラームにおける新自由主義下における精神的充足を、市場を通じて達成する動き(スピリチュアル・エコノミー)として捉える視点として整理していった。その端緒となる議論を、文献資料調査を通じて展開できたとともに、2023年度に延長して実施した一連のフィールド調査を通じて、2022年度までに議論してきた内容が実際に観光の現場でも隆盛している点を確認することができた。その点で、研究の進捗状況は著しく改善する基盤を2022年度に提供してきたと言える。 さらに、研究成果も学術論文や書籍等を通じて継続的に公表してきた。これらの成果は今後も継続予定であるとともに、国際研究者ネットワークを継続的に構築していくことを通じて、当該研究で蓄積してきた一連の議論内容や成果を国際的に還元していくとともに、更なる国際共同研究を推進していくことを目指していく。
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Research Products
(9 results)