2023 Fiscal Year Annual Research Report
動態としての日本庭園の総合的デジタルアーカイヴとその持続的構築システムの研究開発
Project/Area Number |
22H00626
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
原 瑠璃彦 静岡大学, 人文社会科学部, 講師 (20839534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 和俊 京都工芸繊維大学, 未来デザイン・工学機構, 准教授 (40545076)
高原 文江 公益財団法人山口市文化振興財団, 山口情報芸術センター, YCAM InterLab課職員 (40793659)
BARNA GERGELYPETER 京都工芸繊維大学, 未来デザイン・工学機構, 特任研究員 (50898773)
城 一裕 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80558122)
MARES Emmanuel 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (90791129)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 日本庭園 / アーカイヴ / 3D / サウンドスケープ / 映像 / バイオテクノロジー / 生物 / メディアアート |
Outline of Annual Research Achievements |
年度はじめに、静岡・浮月楼庭園の4回目の3Dスキャンを行い、これによって四季の3Dデータを蓄積することができた。そして、前年度からの継続的活動として、浮月楼庭園、京都・HOUSE of HOSOO(以下HoH)坪庭、山口・常栄寺庭園のアーカイヴ構築を行った。また、浮月楼庭園に関しては、四季のデータを用いた常設展示を公開した。HoHの坪庭の12ヶ月分のデータについて、その活用方法を時間論、空間論などさまざまな視点から議論を行った。これらの成果展示は、来年度に行う予定である。 当初の予定通り、本研究の前身(研究課題番号:19H01225)で開発したウェブサイト「Incomplete Niwa Archives 終らない庭のアーカイヴ」(以下「INA」)に関して、データを蓄積することによって見えて来た課題を解決するべく、微細なシステムのアップデートを行った。また、本研究の大きな目的である「INA」のスマホ対応を行った。細部の調整が残るため、まだ一般公開はしていないが、これによってアーカイヴを構築している庭園その場でアーカイヴを視聴することが可能となった。 本研究の目的の一つである「数万平方メートル規模の池泉回遊式庭園のアーカイヴ制作」に次年度より取り掛かるため、その対象となる庭園を選定し、その庭園についての先行研究を整理するとともに、そこで展開されている複雑な文学的教養のネットワークについての検討を行った。 なお、7月には、本研究の活動をまとめた単著 原瑠璃彦『日本庭園をめぐるーーデジタル・アーカイヴの可能性』を刊行した。この著作によって、本研究が単なる技術開発ではない、日本庭園の歴史研究・人文学的考察の延長線上にあることを明確にすることができた。本著に伴い、公開のトークイベントにいくつか出演した。 また、マレス・エマニュエルを中心に大原来迎院・旧善逝院庭園跡の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度、大方予定していた研究活動を行うことはできたが、単著の発行など、これまでの研究成果を公にすることに労力を割いたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度にあたるため、各活動の終着点を見据えつつ、適切に役割分担することで活動を進めてゆく。とくに、年度内に第三の対象となる「数万平方メートル規模の池泉回遊式庭園」への調査依頼ができなかったため、これについて次年度より早々に交渉に入り、アーカイヴ構築につとめる。
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[Book] 洲浜論2023
Author(s)
原瑠璃彦、原瑠璃彦
Total Pages
464
Publisher
作品社
ISBN
486182978X
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