2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22H01385
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
荒川 雅生 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (20257207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平見 尚隆 香川大学, 創造工学部, 教授 (50774139)
勝又 暢久 香川大学, 創造工学部, 准教授 (60534948)
竹内 謙善 香川大学, 創造工学部, 講師 (90911686)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 設計工学 / 感性工学 / 満足化トレードオフ法 / 数量化理論I類 / 数量化理論III類 |
Outline of Annual Research Achievements |
「言葉によるエンジニアリング」とは,製品開発設計時において,その成否はターゲットユーザを確定し,彼らがもつ潜在的な要求(Wants)を見出し,その情報をいかに正確に設計者に伝えるかにあると言う仮説の下に考えられた研究テーマである.Wantsはそもそも明文化されておらず,ターゲットユーザが確認しうる既存の製品を基に,主に言語によって表現されるものである.一方,設計者は基本的に定量的な評価を基に製品作りに臨むため,このギャップを埋める必要がある. 3つの方針のもとに研究を進めている.一つ目が性能とターゲットユーザの評価を同一平面で可視化をして,開発方針を決定する方向性を見出す試みである.製品例としてロボット掃除機を対象として,メキシコ人,日本人へのアンケートを実施した.最終年度ではその結果を受けて,開発方針を決定するための手法を確立していく予定である.2つ目が「言葉のトレードオフ」の課題である.ゴルフグローブのパッケージデザインを対象として6つの感性ワードを対象としてアンケートを行い,満足化トレードオフ法を利用して感性ワード間のトレードオフ関係を見出した.その結果,「かわいい」という感性ワードは他の5つのものとはトレードオフが存在すること,「かっこいい」「手に取りたい」を調べれば,他の3つのワードは相関性を見出すことができることが判明した.今後,3つの感性ワードに絞ってアンケートを行い,数量化理論I類でもとめた近似の性格性の問題,感性ワードが減ることでの被験者の負担の軽減と正確性が上がるかどうかの課題を明確にしていきたい.3つ目が色選定の課題である.数量化理論III類を用いたのちにK-Means法を用いると感性ワードに隣接する情報した得られないところ,重回帰分析を利用して感性ワードをすべて反映できる方法の提案を行った.今後,検証実験を基にその有効性を確認していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つ目の課題は,ロボット掃除機に関するメキシコ人へのアンケート(2022年度)に引き続き,日本人へのアンケートを3月に終了した.この結果,製品,その機能,製品に対する感性の関係性を数量化理論III類を用いて視覚的に表現するベースを作ることができた.今後,分析を進めて,関係性を明らかにするとともに,開発時における方向性を打ち出す手法への昇華していく予定であり,概ね順調に進展している.また,ロボット掃除機の形状に関する微細な変更のための表現を(例えば,角を少し丸くの「少し」とはどの程度なのか)得る必要があるという補助問題が出てきたので,3D CADの力を借りながら明確にしていきたい. 2つ目の言葉のトレードオフに関しては,ゴルフグローブのパッケージデザインを対象にして,元々6つの感性ワードでアンケートを行い,満足化トレードオフ法を用いてトレードオフ関係の調査を行った.その結果,「かわいい」という表現は他の5つのものとは相反することが分かり,他の5つのものも「かっこいい」「手に取りたい」と言う感性ワードで概ね追随した傾向が得られることが明確になった.現在,感性ワードを3つに減らしても同程度の情報を得られるのか,あるいは評価項目が減ったことでより正確に情報がえられるのかを調べるための2次アンケートを実施する予定であり,概ね順調に進展している. 3つ目の色の選定に関しては,学生を対象とした予備実験は成功しており,一般のユーザに対するアンケートを実施した.予備実験と同様の結果が得られれば,数量化理論III類と重回帰分析により,感性ワードを余すことなく利用できる新しい方法としてまとめていく予定であり,こちらも文用に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
1つ目の課題に対しては数量化理論III類のプログラム開発はすでに終えており,また,ロボット掃除機の仕様からの分類も終えたので分析に入ることができる.メキシコ人,日本人の分析結果から差異が明確になれば,それぞれの国民性に合わせた開発の指針も示せると考えており,このまま分析を続けていく予定である.また,結果を公表していく予定である.また,「形の表現」というサブテーマも見つかったため,これにも挑戦していきたい. 2つ目の課題に対しては,追加アンケートを実施する予定である.感性ワードが半分になっても得られる情報が同じ,あるいは,想定では疲労感の減少によって,より正確なものになると想定しており,そのバックグラウンドの情報が得られることを期待している.その結果を他の事例を含めて検証し,手法としてまとめて,公表していく予定である. 3つ目の課題に対して,アンケート結果が取得できたので,全体をパッケージとして色の選別システムを開発し,実証実験へとつなげていきたい.実証実験の結果が良好であれば,一連のプロセスを手法としてまとめて公表していきたい.
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Research Products
(2 results)