2022 Fiscal Year Annual Research Report
大気開放下での非水電解液を用いたアルミニウム電気めっき技術の開発
Project/Area Number |
22H01829
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 正男 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (60361648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平藤 哲司 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (70208833)
池之上 卓己 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00633538)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | めっき / 電析 / イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルミニウム (Al) の低コスト製膜法として、有機溶媒やイオン液体などの非水溶媒浴を用いた常温付近での電析法(電気めっき法)が精力的に研究されている。従来の Al 電析浴は、強い吸湿性を持つなどの理由から、大気中で扱うことができない。このため、これまで Al 電析は、グローブボックス等を用い、不活性ガス雰囲気の密閉系内で行われてきた。しかし、このような密閉系での操業は、生産性が低く、高コストに直結するため、Al 電析プロセスの工業化の障害となっている。そこで本研究では、大気開放に近い環境下で良好な Al 電析膜を得ることができる電析浴系の開発を目的とし、まず、様々な電解液を用い、乾燥空気中でのAl電析挙動を調べた。 現在の不活性ガス雰囲気下での Al 電析において、最も広く用いられている イミダゾリウム塩-塩化アルミニウムイオン液体(EMIC-AlCl3 イオン液体)電解液を用いて乾燥空気中で Al 電析を試みた結果、酸素存在下では電析不良が生じることが明らかとなった。一方、アセトアミドーAlCl3 系電解液を用いた場合は、乾燥空気中でも、不活性ガス雰囲気中と同様に、良好な Al 電析膜が得られた。EMIC-AlCl3 電解液を用いて乾燥空気中で電析を行った場合には、副生成物が生じ、これが Al 電析を阻害する原因であることが疑われた。ガスクロマトグラフィー質量分析により、副生成物質を特定することができ、酸素存在下において、Al の電析が阻害されるメカニズムを推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
O2がAl電析を阻害するメカニズムを推定でき、阻害を回避できる電解液系を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
O2存在下でもAl電析を行うことができる電解液の探索を続け、平滑で緻密なAl膜をより高速で電析できる電解液の開発を行う。また、湿度に対しても耐久性のある電解液の探索を行う。
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