2024 Fiscal Year Annual Research Report
作物の水輸送効率の最適化に向けた根の通過細胞数の遺伝学的解析
| Project/Area Number |
23K23574
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 卓樹 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (50726966)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 佑 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 研究教授 (50634474)
野下 浩司 九州大学, 理学研究院, 助教 (10758494)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | イネ / 根 / 内皮 / 通過細胞 / スベリン |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,根の内皮に形成される通過細胞に注目し,土壌中から地上部への水の輸送効率を最適化することで,作物の収量の増加や気候変動に対する耐性を強化することを目的とした.根の表面から吸収された水は,表皮と皮層を通り中心柱内部の道管に輸送され,地上部へと運ばれることで葉での光合成に利用される.皮層の最内層(内皮)には, スベリンなどの疎水性の物質が蓄積して水の輸送が制限されているが,内皮に点在するスベリンを蓄積しない通過細胞が選択的な水の輸送を担う.これまでに,多収水稲品種では標準品種と比べて通過細胞数が多く, 耐乾性の陸稲品種ではその数が少ないことがわかっ ているが, イネにおいて内皮の通過細胞数を制御する分子メカニズムは未解明である. 2024年度までに, 標準水稲品種と多収水稲品種を両親とする染色体断片置換系統を用いて通過細胞数の品種間差に関連する遺伝子座を同定した.そこで, 最終年度は同遺伝子座の準同質遺伝子系統を用いて通過細胞数の解析や光合成速度, 気孔コンダクタンスの測定を実施した. その結果, 通過細胞数を制御する候補遺伝子座を多収品種型でもつ系統は,標準品種と比べて高い光合成速度と気孔コンダクタンスを示し,同遺伝子座が標準品種型の系統は多収品種と比べて光合成速度と気孔コンダクタンスが低かった.これらのことから,通過細胞数がイネの根における水の輸送に重要であることが示された. また, 2024年度までにスベリン化内皮細胞を自動で検出する画像解析の手法を確立したが, 最終年度は内皮細胞とスベリン化内皮細胞の数を評価するアプリを開発し,通過細胞形成率の解析を効率化した.さらに,研究期間を通して標準水稲品種と耐乾性陸稲品種のF4系統を作出した上で,GRAS-DiによるDNAマーカーの作製をおこない, 効率的にQTL解析を実施するための実験系を確立した.
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[Presentation] 多収水稲品種タカナリの根における通過細胞数の増加が光合成に寄与する通導抵抗に与える効果の解析2024
Author(s)
角クルミ, 山中碩人, 染野大輝, 森下紘光, 三並翔哉, 石崎蒼太, 渡邉友実加, 亀岡笑, 谷吉和貴, 安達俊輔, 野下浩司, 田中佑, 山内卓樹
Organizer
日本育種学会第146回講演会
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[Presentation] 多収水稲品種タカナリの根の通過細胞が水輸送効率に与える効果の解析2024
Author(s)
角クルミ, 山中碩人, 染野大輝, 森下紘光, 三並翔哉, 石崎蒼太, 渡邉 友実加, 亀岡 笑,谷吉和貴, 安達俊輔, 野下浩司, 田中佑, 山内卓樹
Organizer
第31回育種学会中部地区談話会
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