2022 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞老化が加齢関連疾患の発症と病態に果たす役割の解明
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22H02849
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱崎 洋子 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (10362477)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | T細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な加齢関連疾患に共通する基盤要因として着目されている「免疫老化」は、「獲得免 疫応答能の低下」と「炎症性素因や自己免疫応答の増大」という、一見相反する現象による二面性により特徴づけられる。本研究は、加齢に伴い胸腺からの新たなT細胞産生が低下した結果として起こる恒常性増殖(HP)に着目し、HPを経たCD4陽性T細胞を移入すると炎症が増悪するという独自の予備的知見をもとに、HPがもたらすT細胞の質的変化の実態とメカニズムを明らかにする。これにより、T細胞老化が炎症性疾患の発症や病態形成との関連を明らかにすることを目指す。今年度は、成獣胸腺を摘出することにより、胸腺退縮による新たなT細胞産生の低下とその結果起こるHPを促進させるモデルを用いて、HPの過程でおこるT細胞の形質変化を明らかにするために、フローサイトメトリ解析とbulk RNAseq解析を実施した。その結果、CD4 T細胞において、HPにより変動する遺伝子をいくつか同定することができた。現在当該遺伝子のノックアウトマウスを作製し、表現型解析の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HPによりCD4 T細胞に起こる遺伝子変化を明らかにすることができ、発現上昇する遺伝子についてはノックアウトマウスの作製に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ノックアウトマウスが出来次第、表現型解析を行う。
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