2022 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on mechanism and therapeutic approach of atherosclerosis using genetically-modified mice and fresh cadavers
Project/Area Number |
22H03069
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐田 政隆 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (80345214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 孝司 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (00184656)
福田 大受 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40637568)
添木 武 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (60393211)
川端 豊 徳島大学, 病院, 助教 (60645183)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 自然免疫 / 慢性炎症 / インスリン抵抗性 / 脂質異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病によって変性した血管細胞から遊離されるcfDNAと、想定される受容体であるTLR9と細胞質内DNAセンサーSTING (stimulator of interferon genes)の関与を明らかにして、動脈硬化の新しい治療法の開発を検討した。 (1) 動脈壁の慢性炎症における自己DNAとTLR9の病態生理的意義 アポE欠損マウスにAngiotensin Ⅱ (Ang Ⅱ)を投与することで、血漿中の1本鎖DNAなどのcfDNAが増加した。TLR9/ApoE 2重欠損マウスを確立し、AngⅡ投与下で誘導される動脈硬化病変を解析した。TLR9/ApoE 二重欠損マウスの動脈硬化およびプラーク内脂質量は、ApoE 欠損マウスに比べて有意に少なかった。また、TLR9/ApoE dKOマウスの腹部大動脈において、MCP-1などの炎症性物質の発現やマクロファージの浸潤が減少していた。 (2) 動脈壁の慢性炎症における自己DNAとSTINGの病態生理的意義 マウスの高コレステロール血症モデルである西洋型食餌で飼育したApoE欠損マウスでは野生型マウスと比較して、大動脈内のマクロファージにおけるSTINGの発現、γH2AXやp53、一本鎖DNAといったDNA損傷マーカーの集積が認められた。また、STINGのアゴニストであるcGAMPの、大動脈での含有量が動脈硬化マウスで亢進していた。STING/ApoE 2重欠損マウスでは、ApoE欠損マウスと比較して、動脈硬化の進展と不安定化、炎症が減弱していた。また、STING/ApoE 2重欠損マウスでは腹部大動脈において、MCP-1などの炎症性物質の発現やマクロファージの浸潤が減少していた。両群間で体重、血圧、脂質値に差を認めなかったことから、高コレステロール血症によりSTINGを介した慢性炎症が動脈硬化を促進していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナによる構内への入校制限などは廃止され、予定どおりにマウスの繁殖を行うことができた。 (1) 動脈壁の慢性炎症における自己DNAとTLR9の病態生理的意義を検討するためにTLR9/ApoE 2重欠損マウスの樹立を目指して、交配に成功した。また、AngⅡ投与下で誘導される動脈硬化病変を解析することにも成功した。 (2) STING/ApoE 2重欠損マウスの樹立を目指して交配を続けて、目的とするダブルノックアウトマウスの系統を樹立することに成功した。マウスの高コレステロール血症モデルである西洋型食餌で飼育したApoE欠損マウスでは野生型マウスと比較して、大動脈内のマクロファージにおけるSTINGの発現、γH2AXやp53、一本鎖DNAといったDNA損傷マーカーの集積が認めることができた。また、STINGのアゴニストであるcGAMPの使用方法も確立できた。STING/ApoE 2重欠損マウスとApoE欠損マウスと病変の量や質を比較することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・TLR9/ApoE 2重欠損マウスを繁殖させ、病変の進行や不安定化をApoE欠損マウスと比較検討する。また、ApoE欠損マウスとTLR9/ApoE 2重欠損マウス間で骨髄移植を行い、動脈硬化の進展と不安定化への影響を検討する。 ・細胞質内DNAセンサーとして注目されているSTING欠損マウスに高脂肪高スクロース食を投与して脂肪組織での炎症を評価する。また、ApoE欠損マウスと交配し、動脈硬化病変の広がりや不安定化への影響を検討する。 ・DNA分解酵素であるDNase II-flox マウス(B6.129-Dnase2a)と、LysM-CreノックインマウスならびにaP2-Creトランスジェニックマウスの分与を受けた。交配によりマクロファージもしくは脂肪細胞特異的にDNase IIを欠損するマウスの樹立し増殖させている。このマウスに高脂肪食を投与して脂肪組織での炎症、インスリン抵抗性を評価する。また、ApoE欠損マウスと交配し、動脈硬化病変の広がりや不安定化に対する、分解させずに蓄積する自己DNAの影響を検討する。DNase Ⅱ欠損によって分解されず蓄積した自己DNAの炎症惹起径路を探索するため、DNase ⅡとTLR9 ダブル欠損マウスとDNase IIとSTING ダブル欠損マウスを作成し、メタボリックシンドロームや動脈硬化モデルで、シングル欠損マウスと比較する。 ・刺激を受け、変性や死に至った血管細胞から放出された自己DNAがマクロファージを活性化する機序を検討する。さらに、ゲノムDNA,ミトコンドリアDNAを採取して、マクロファージにリポフェクタミンを用いてトランスフェクションして炎症遺伝子の発現を比較検討する。 ・未固定遺体の冠動脈を様々なイメージングで観察し、その部位をサンプルを用いて、分子生物学的検討と組織学的研究を行う。
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Research Products
(25 results)