2022 Fiscal Year Annual Research Report
Functions of IL-1B in preclinical models of RNF213-related angiopathy
Project/Area Number |
22H03185
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 享 京都大学, 医学研究科, 教授 (70239440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (50124574)
高橋 淳 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (10270779)
吉田 和道 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90598921)
片岡 大治 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (40359815)
峰晴 陽平 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (50716602)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | もやもや病 / iPS細胞 / IL-1β / RNF213 / 腸内細菌 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト検体を用いて、次の実験を行った。健常者、もやもや病患者(p.R4810Kヘテロ)、p.R4810Kキャリア(同ヘテロ)の3群において、IL-1βの血漿中濃度をELISAで計測した。その結果、健常者ともやもや病患者の間で血漿中IL-1βの濃度に差はなかったが、キャリアは発症者よりも優位にIL-1βの濃度が低かった。IL-1βは、もやもや病と相関のある腸内細菌叢のRuminococcus gnavus (R. gnavus)と有意な正の相関を認めた。直接的な因果関係は示されていないが、R. gnavusがIL-1βを介して、RNF213変異の影響を増幅している可能性が示唆された。 患者由来iPS細胞とその遺伝子改変細胞株を用いて、次の実験を行った。p.R4810K変異を持つ患者由来のiPS細胞とそれを遺伝子修復した細胞について、内皮細胞に分化させて遺伝子発現を比較したところ、変異株は野生型(修復型)に比べてIL-8の発現が高かったが、IL-1βには差は認めなかった。IL-8は、健常者、患者、キャリア間で有意差は認めなかったことから、変異が影響を及ぼすサイトカインと、変異の浸透率と関連するサイトカインは異なると考えられた。 Rnf213単独のノックアウトでは、マウスにおいて脳血管狭窄は生じない。そこで、IL-1βを上昇させることで変化が起きないかを検討することとした。IL-1raノックアウトマウスはIL-1βの過剰発現が起こることから、同マウスとRnf213ノックアウトマウスの交配を行った。ダブルノックアウトマウスが得られるようになってきており、もやもや病様の脳血管狭窄や側副血行路の発達が認められるかをMRIで検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IL-1ra-/-マウスは妊孕性が低いため、目的のマウスを十分数得るのに時間がかかっている。 iPSからの血管平滑筋分化のプトロコール確定にやや時間を要しており、Il-1βの影響を見る実験を今後行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
p.R4810K変異を持つ患者由来のiPS細胞とそれを遺伝子修復した細胞について、内皮細胞と平滑筋細胞に分化させ、IL-1βで刺激した際の細胞の変化について、遺伝子発現や細胞形状を含めて分析を行う。 IL-1raとRnf213のダブルノックアウトマウスについて、MRIによる脳血管の評価を行うとともに、血管組織を採取して、血管壁の肥厚などの病理所見についても確認する。R. gnavusの投与により、血管狭窄の進行が認められるかどうかについても実験を行う。
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Research Products
(8 results)