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2022 Fiscal Year Annual Research Report

医用テレメータの信頼性向上と混信及び情報漏洩対策を兼ね備えた新しい通信手法の確立

Research Project

Project/Area Number 22H03324
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKawasaki University of Medical Welfare

Principal Investigator

茅野 功  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (70390242)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮崎 仁  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (20550396)
田中 直子  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (40435350)
望月 精一  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (60259596)
高山 綾  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (60413514)
井上 貴博  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70388940)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords医用テレメータ / 医療用テレメータ / マルチホップ通信
Outline of Annual Research Achievements

2022年度では,本研究の主幹となる「現在の無線型医用テレメータで使用されている周波数帯域の変更や送信電力を増大することなく,かつ,病院の設備変更や増改築時にも受信用漏洩同軸ケーブルの再敷設を必要としない,信頼性を向上させる通信システム」構築のためのハードウェアおよびソフトウェア設計を検討し,それに基づくシステムの試作と大学構内による動作確認を実施した.
ハードウェア構成は,端末同士が情報のバケツリレーを行いながら伝搬を行うマルチホップ通信方式(2.4GHz)を採用した評価モジュールと,心電図を取得するための生体信号アンプとフィルタ回路機構をもたせ,8台の端末を1ユニットとした2ユニット分(計16台の端末と受信機1台)を構築した.また,ソフトウェア機構では,それぞれの端末の情報(心電図)を各端末毎に一括表示する構成を持たせ,また,各ユニット毎にそれぞれ情報をバッファする機構を持たせた.
この試作を基に学内での通信実験をした結果,計16台分の端末の心電図情報(10bit, 200Hz)を最大遅延3秒以内で受信機に対して同時表示を行うことができた.また,受信機から端末までの距離を最遠で150 mにおいても通信可能であり,同環境における従来システムでの通信可能距離(約50 m)に対して大きな優位性を確認した.
また,従来法との有用性を比較検討するため,本学での通信実験を電磁界シミュレーションするためのモデル構築を行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度では,新たな無線型医用テレメータシステムのハードウェア及びソフトウェア構成について検討し,それに基づく試作と動作確認を実施した.これは,当初の研究計画通りに進行している.
特にハードウェア設計においては,使用者への漏れ電流が100μA以下になるよう専用の心電図モジュールを組み込み安全対策を施している.また,今回の試作では通信プロトコルに,既に工場等の温度管理で用いられているマルチホップ通信技術を流用することとし,研究開発用ISM周波数帯である2.4GHz帯域の評価モジュールを採択し,動作確認時に通信スループット(伝達速度)や同法伝達度,情報冗長性を確認した.また,一般にマルチホップ通信は高速な情報伝搬に不向きであり,今回の評価モジュールにおいても16台分の心電図情報を同時に伝送する情報伝達速度を持っていなかった.そのため,端末を2ユニットに分割し,それぞれのユニット毎で時分割および周波数分割を行いながら情報の伝搬を実施し,かつソフトウェア構成側でバッファを設けることにより,最大遅延3秒以内での通信の実現を可能とした.
また,電磁界シミュレーションにはFinite-Difference Time-Domain method (FDTD)法を用いる予定である.この準備段階として,大学通信実験時の建物構成要素を鉄,コンクリート,石膏ボード,ガラスの4要素としてモデル構築を実施した.

Strategy for Future Research Activity

2023年度では,電磁界シミュレーションのためのモデルを用いて任意の地点による電界強度マップを作成し,実測と併せシミュレーションの妥当性を検討する.その後,従来法における弱電界エリアでの電界測定,ならびに本試作システムの通信精度,スループットおよびS/Nを対象とした評価を実施する.また,本試作システムに対して空中線電力を変更した場合の通信性能および従来法に対する優位性の変化について確認検証を実施する.さらに,通信周波数帯域の違いにおける建物内の情報伝搬の違いについて検討する.本試作システムで使用している2.4GHz帯域と,現在の医用テレメータの420MHz帯域における弱電界エリアの差異について検討し,2.4GHz帯域を使用した場合の建物外への電界漏洩あるいは空中線電力の低減(省電力化)の可能性について検討する.
次に,本試作システムを発展させ,一部の端末を固定局とした場合に他の移動端末からの電界強度をリアルタイムに測定・比較することで,移動端末の位置を推定できるシステムの試作に取り組む.本検討によって,これまで病院内での徘徊患者の位置把握や,患者ベッド以外の場所(トイレ等)での緊急時の応対をいち早く実施することが可能になり,無線型医用テレメータの新たな付加機能を持たせることが可能になる.固定局を受信機に対してバス状に配置,あるいはスター状に配置した場合などの違いについて検討し,移動局の位置把握の正確性,有効性の検討を実施する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 生体情報モニタの簡易スペアナ機能を活用した無線式医用テレメータ電波調査の有用性2022

    • Author(s)
      元石徹也,石森幸治郎,大澤宗太郎,島谷洋志,佐々木恵,西江和夫,高山綾,茅野功
    • Organizer
      第96回日本医療機器学会大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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