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2022 Fiscal Year Annual Research Report

タンパク質の超硫黄修飾を基軸とした新しい疾患発症機構研究

Research Project

Project/Area Number 22H03523
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionTokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology

Principal Investigator

梅澤 啓太郎  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30505764)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三浦 ゆり  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (00216574)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsプロテオミクス
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、検体中の超硫黄修飾タンパク質の網羅的検出法の確立に向けて、生体試料中の超硫黄修飾タンパク質の前処理法や標識法の最適化に向けた条件検討を行った。質量分析装置によるプロテオーム解析に際しては、検体の処理から超硫黄構造へのタグ化試薬の標識ならびに測定まで多くの工程を経て行われるため、各工程に対する最適化条件の検討が重要である。そのなかで本年度は、特にタンパク質抽出やタンパク質の酵素消化時における添加剤の効果や、タグ化試薬の超硫黄修飾部位への標識条件、各実験工程の順序を中心に諸検討を行った。まずは標品タンパク質として超硫黄化したヒト血清アルブミンを用い、超硫黄タグ化試薬を各種実験条件に基づいて反応させ、酵素消化の後にナノ高速液体クロマトグラム質量分析装置(nanoLC-MS/MS)による解析実験を行った。結果、これらの実験条件の一部が超硫黄タンパク質の検出感度や同定結果に大きく影響を及ぼすことを発見した。そしてその影響を詳細に検討した結果、改良したプロトコルに基づくことで、ヒト血清アルブミン中の超硫黄修飾構造の検出感度を従来の数倍以上に向上させることができるという結果を得ることができた。同様に、超硫黄化したヒト血清アルブミン以外のタンパク質においても同様の結果を得ることができた。以上より、各種前処理工程の精査が分析結果の向上に寄与する可能性を示唆できたことから、翌年度以降の研究指針の立案に大きく貢献する結果を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度得られた結果の一部は当初は予想していなかったものを含んでおり、その理解や検証実験に時間を要したが、一方で本研究の中核にかかわる重要な実験結果の一部を得ることができたため、次年度以降の戦略的な研究計画立案が可能となった。これらを総合して、おおむね順調に進んでいると判断した。

Strategy for Future Research Activity

概要に示した本年度の実験結果の一部は、当初の想定していなかった効果である。これは、いくつかの工程は一般的なプロテオーム解析時にはあまり留意されることがないファクターであったためであること、またタンパク質の超硫黄構造の性質や安定性に関してはいまだに未知の事象が多いためと考えられる。従って、本研究を遂行する上では、予期せぬ結果を含めた実験結果の解釈と検証実験の積み重ねが重要であることを意味する。次年度はこの点を詳細に掘り下げることで、実サンプル中での実態がつかみにくい超硫黄タンパク質の検出および解析に対する重要な知見を得ることを目指す。さらに、マウスやラットの臓器など実際のサンプルを用いた測定系の構築を見据えて、各種検体からのサンプルの抽出や前処理法の最適化実験にも着手し、臨床超硫黄プロテオーム解析に向けた予備実験を遂行する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Presentation (2 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Presentation] 新規タグ試薬を用いた超硫黄修飾タンパク質解析法の開発2022

    • Author(s)
      梅澤啓太郎, 津元裕樹, 川上恭司郎, 三浦ゆり
    • Organizer
      日本プロテオーム学会2022年大会(JHUPO第20回大会)
  • [Presentation] 超硫黄修飾タンパク質の網羅的解析に資するタグ分子の開発2022

    • Author(s)
      梅澤啓太郎, 津元裕樹, 川上恭司郎, 三浦ゆり
    • Organizer
      第75回日本酸化ストレス学会 学術集会
  • [Patent(Industrial Property Rights)] ポリスルフィド標識用アルキル化剤及びそれを用いたポリスルフィドの標識方法2022

    • Inventor(s)
      梅澤啓太郎
    • Industrial Property Rights Holder
      梅澤啓太郎
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      PCT/JP2022/18215

URL: 

Published: 2024-12-25  

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