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2022 Fiscal Year Annual Research Report

リンホトキシンβ受容体を介したメチル水銀による脳神経障害機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22H03752
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionTohoku Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

黄 基旭  東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00344680)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山縣 涼太  東北医科薬科大学, 薬学部, 助教 (20963424)
外山 喬士  東北大学, 薬学研究科, 講師 (50720918)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsメチル水銀 / LTBR
Outline of Annual Research Achievements

我々は、マウスの脳で高く発現しているリンホトキシンβ受容体(LTBR)がメチル水銀による脳組織選択的な毒性発現に関与する可能性を見出している。そこでまず、メチル水銀毒性発現に関わるLTBRの細胞内シグナルについて検討した結果、メチル水銀によって生じるミトコンドリア膜電位の低下がLTBRの発現抑制によって抑制されることを見出した。また、ミトコンドリアからの活性酸素種を消去するMito-TEMPOはメチル水銀毒性を抑制したが、本作用はLTBR発現抑制細胞で認められなかった。さらに、LTBRはホモ三量体を形成することで活性化されるが、メチル水銀はLTBRの多量体形成を促進することが明らかとなった。一方、LTBRの細胞内領域に結合する既知の足場蛋白質の発現抑制はメチル水銀感受性に影響しなかったことから、LTBRによるミトコンドリアを介した細胞死誘導には未知の因子が関与すると考えられる。そこで、LTBRと結合する新規蛋白質を免疫沈降法により探索したところ、LTBRの細胞内ドメインに結合する蛋白質として4種(HNRNPK、HSPD1、TFG、RPSA)が同定された。そこで、LTBR結合蛋白質の発現抑制とメチル水銀毒性の関わりを検討したところ、RPSA (40S ribosomal protein SA)がメチル水銀毒性増強作用を有することが判明した。一方、メチル水銀耐性を示すRPSA発現抑制細胞ではLTBR発現抑制によるメチル水銀毒性の抑制作用が認められなかった。また、メチル水銀はLTBRとRPSAの結合に影響することなく、細胞膜上の特定の箇所に両因子を共局在させていた。以上のことから、メチル水銀は細胞膜上にLTBR/RPSA複合体を局在させることで、ミトコンドリアからの活性酸素種産生の亢進を介して細胞死を誘導することが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

我々の先行研究により、マウスの脳で高く発現しているLTBRが未知の機構を介してメチル水銀によって活性化されると、神経細胞死を誘導することが示唆されている。そこで、マウス脳神経幹細胞株を用いてLTBR活性化を介したメチル水銀による神経細胞死誘導機構を解明するとともに、得られた知見などの毒性学的意義をマウス個体で検討している。本年度は、メチル水銀毒性発現に関わるLTBRの下流シグナル伝達系を検討した結果、ミトコンドリアからの活性酸素種の産生に関わるシグナル伝達系がLTBRを介した細胞死誘導に関与することを明らかとした。また、LTBRは新規結合蛋白質であるRPSA(40S ribosomal protein SA)と細胞膜上で複合体を形成することで、メチル水銀によるミトコンドリア障害に関与することが示された。LTBR/RPSA複合体による細胞死には主にアポトーシスが関与することが示唆され、メチル水銀はLTBRの多量体形成やLTBR/RPSA複合体の細胞膜上への局在を亢進させることでアポトーシスを誘導している可能性を見出すこともできた。マウス個体でのLTBRを介した脳神経細胞死誘導の毒性学的意義に関する検討は次年度から実施予定であるが、それに関する予備検討は実施済みである。以上のように、本研究は当初の研究計画通りに概ね進んでおり、これまでの検討により今後本研究を推進していく上で貴重な知見を得ることができたことから、本研究は計画に従って「概ね順調に進展している」と判断できる。

Strategy for Future Research Activity

メチル水銀によるLTBR活性化を介した脳神経細胞死誘導機構およびその毒性学的意義を明らかとするために、下記の検討を実施する。
メチル水銀によるLTBR/RPSA活性化機構:上述のようにLTBR/RPSA複合体は細胞膜上に局在することでミトコンドリア障害を惹起することが示唆されている。しかし、LTBR/RPSA複合体からミトコンドリアへのシグナル伝達様式は不明のままである。MAPKシグナル伝達系は細胞外からの様々なシグナルを細胞内へ伝達しており、LTBR/RPSA複合体もMAPKシグナル伝達系を介してミトコンドリアにシグナルを伝達している可能性について検討する。また、RPSAがNADPH oxidaseからの活性酸素種の産生や、RPSA分子内でのジスルフィド結合の形成が細胞膜上への局在に関わることが知られており、これらの知見とメチル水銀毒性発現との関わりについて検討する。さらに、蛍光染色の精度を向上させることでこれまでに観察し難かった細胞内でのLTBRおよびRPSAの挙動についても詳細に検討する。
マウス個体でのLTBRを介した脳神経細胞死誘導の毒性学的意義:In situ hybridizationおよび免疫染色を行うことにより、メチル水銀を投与したマウスの脳でLTBRおよびRPSAを発現している細胞をそれぞれ特定する。本検討により、脳内クロストークに基づいて、メチル水銀による神経細胞死誘導におけるLTBRとRPSAの関係を推定する。また、LTBR欠損マウスを用いて、メチル水銀が脳に与える影響を病理組織学的および行動薬理学的に評価することで、メチル水銀による脳組織選択的な神経障害におけるマウス個体でのLTBRの役割を明らかにする。

  • Research Products

    (12 results)

All 2023 2022 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Methylmercury directly modifies the 105th cysteine residue in oncostatin M to promote binding to tumor necrosis factor receptor 3 and inhibit cell growth2023

    • Author(s)
      Toyama Takashi、Xu Sidi、Hasegawa Takashi、Kanemitsu Yoshitomi、Noguchi Takuya、Lee Jin-Yong、Matsuzawa Atsushi、Naganuma Akira, Hwang Gi-Wook
    • Journal Title

      Archives of Toxicology

      Volume: 97 Pages: in press

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Deubiquitinase USP54 attenuates methylmercury toxicity in human embryonic kidney 293 cells2022

    • Author(s)
      Lee Jin-Yong、Kim Jong-Mu、Noguchi Takuya、Matsuzawa Atsushi、Naganuma Akira、Hwang Gi-Wook
    • Journal Title

      Fundamental Toxicological Sciences

      Volume: 9 Pages: 159~162

    • DOI

      10.2131/fts.9.159

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] メチル水銀による中枢神経障害および感覚障害へのTNF受容体3の関与2023

    • Author(s)
      山縣 涼太、先崎 那知、黄 基旭
    • Organizer
      令和4年度メチル水銀研究ミーティング
  • [Presentation] メチル水銀による記憶障害へのミクログリアの関与2023

    • Author(s)
      山縣 涼太、大村 美夏子、小林 なつみ、黄 基旭
    • Organizer
      日本薬学会第143年会
  • [Presentation] メチル水銀によるオンコスタチンM発現誘導へのROCK1の寄与2022

    • Author(s)
      守谷 啓、藤原 大希、千葉 冠太郎、進藤 佐和子、黄 基旭
    • Organizer
      第49回日本毒性学会学術年会
  • [Presentation] Mechanism of methylmercury toxicity reduction by the transcription factor TCF32022

    • Author(s)
      Ota Himeka、Matsushima Akari、Toyama Takashi、Naganuma Akira、Hwang Gi-Wook
    • Organizer
      The 8th International Symposium on METALLOMICS
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] メチル水銀によるオンコスタチンMの発現誘導におけるプロテインキナーゼC-δの役割2022

    • Author(s)
      藤原 大希、守谷 啓、小松 龍、山縣 涼太、黄 基旭
    • Organizer
      フォーラム2022:衛生薬学・環境トキシコロジー
  • [Presentation] 行動毒性試験を用いたマウスにおけるマイクロプラスチックの長期曝露影響の解析2022

    • Author(s)
      山縣 涼太、古井 亮平、遠藤 一成、武田 真歩、黄 基旭
    • Organizer
      フォーラム2022:衛生薬学・環境トキシコロジー
  • [Presentation] メチル水銀による中枢神経障害へのTNFR3の関与2022

    • Author(s)
      山縣 涼太、先崎 那知、武田 真歩、遠藤 一成、黄 基旭
    • Organizer
      メタルバイオサイエンス研究会2022
  • [Presentation] マウス脳内のミクログリアの除去がメチル水銀による中枢神経障害に及ぼす影響2022

    • Author(s)
      山縣 涼太、齋藤 藍、武田 真歩、遠藤 一成、黄 基旭
    • Organizer
      メタルバイオサイエンス研究会2022
  • [Presentation] メチル水銀毒性増強因子TNFR3のマウス脳内発現とその役割2022

    • Author(s)
      山縣 涼太、先崎 那知、古藤野 史花、武田 真歩、遠藤 一成、黄 基旭
    • Organizer
      第61回日本薬学会東北支部大会
  • [Remarks] 東北医科薬科大学薬学部 環境衛生学教室HP

    • URL

      http://tmpu-ehs.com/index.html

URL: 

Published: 2023-12-25  

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