2022 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習による画像とテキストのデータ統合を基盤とする環境価値評価手法の開発
Project/Area Number |
22H03812
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗山 浩一 京都大学, 農学研究科, 教授 (50261334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 正也 福島大学, 食農学類, 准教授 (00792392)
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60399988)
柘植 隆宏 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (70363778)
久保 雄広 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80761064)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 環境価値評価 / 環境経済学 / 国立公園 / ビッグデータ / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境価値評価は価格の存在しない環境の経済的価値を金銭単位で評価する手法である。環境価値評価では景観の価値を評価するときに写真や説明文(テキスト)を用いて環境対策に支払っても構わない金額をたずねるが、用いた写真や説明内容によって評価額が影響を受ける現象(バイアス)が知られている。このため、写真や説明内容が環境価値に及ぼす影響を解明すると同時に、バイアスの少ない観測データをもとに景観価値を評価する手法の開発が課題となっている。 本研究の目的は、写真やテキストが人々の経済行動に及ぼす影響を機械学習で分析することで、バイアスを軽減した新たな環境価値評価手法を開発することにある。情報学の分野では画像データやテキストデータの分析手法の研究が進められているが、環境価値評価にこれらを応用した研究は極めて少ない。また、画像やテキストの分析では膨大なサンプル数が必要である。そこで、SNSや携帯電話の電波情報などのビッグデータとアンケート調査のデータを組み合わせることで精度の高い新たな評価手法を開発する。 本研究では以下の3つの課題について検討することで新たな評価手法の開発と検証を行う。【課題1】選択型実験による景観分析(機械学習分析)全国の国立公園を対象に選択型実験のアンケート調査を実施する。【課題2】SNSと携帯電波情報を用いた景観分析(ビッグデータ分析)【課題3】バイアスを軽減した新たな評価手法の開発 以上の課題をもとに本研究で開発した新たな評価手法を用いて、国立公園を対象に実証研究を行い、今後の新たな環境政策への応用可能性について検証する。本年度は先行研究を収集するとともに,必要なビッグデータの検討と調査票設計について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ビッグデータの収集に時間を要したこと,および機械学習を用いた評価手法の開発に時間を要したため,実証研究の準備に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
必要となるビッグデータの収集,および機械学習を用いた評価手法の開発を進め,事前調査の調査票設計を行う。
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