2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative study on mid- and long-term energy consumption of cryptocurrency and conventional currency
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22H03818
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
岩田 和之 松山大学, 経済学部, 教授 (90590042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 秀道 九州大学, 経済学研究院, 教授 (20731764)
野澤 亘 福岡大学, 経済学部, 准教授 (20846547)
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30633474)
井口 衡 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (60633906)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エネルギー / 仮想通貨 / ファイナンス / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は主に仮想通貨の実情を調査すると同時に、2023年度に実施予定の仮想通貨やファイナンスに関する家計調査のパイロット調査を実施した。パイロット調査は2022年2月にインターネットを通じて実施し、計613名から回答を得ることができた。暗号資産のうち、圧倒的に知名度が高いものはでBTC(ビットコイン)であり、大きな差をつけられて次点がETH(イーサ)となっている。したがって、仮想通貨にはUCDT(テザー)のような価格変動が無いものもある一方で、人々の仮想通貨に対する認識はほぼ価格変動の大きなビットコインとイコールだと思っていることが明らかになった。暗号資産を取引するためには国内での暗号資産交換業者の口座を開設する必要があるが、この口座を開設している人は35名(全体の6%)しか存在せず、仮想通貨を保有する環境を整えている人は極めて少数であった。その原因として、暗号資産に対する認識が定期預金や株式よりもネガティブ方向にあることも明らかになった。一方で、現実の貨幣については、ATMを利用する際に71%の人が順番待ちをすると回答しており、仮想通貨を利活用することで、ATM運転にかかわるエネルギーを節約することや、機会費用を削減することができる素地があることも確認できた。また、11段階で質問をした「幸福度」に関する項目では、仮想通貨を持っている人のほうがやや幸福度が高いこと、キャッシュレス決済に対する関心が高いことも示された。来年度の本調査では、どのような伝え方をすれば仮想通貨に対するネガティブな印象を払拭することができるのかや、CBDC(デジタル法定通貨)に対する人々の認識について、調べていくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は予定通り仮想通貨の保有や環境に関する認識のインターネット家計調査を実施することができた。2023年度の本調査に向けての課題や問題点も洗い出すことができたため、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はインターネットを通じた本調査を2024年1~2月頃に実施予定である。2022年2月に実施したプレ調査の結果から、仮想通貨に対する認知度が相当低いため、より深い調査をするためにはもっと時間を空ける必要があると判断し、年明けに予定している。それでもまだ認知度が低すぎる判断した場合は、調査予算を繰り越すことも検討する。いずれにせよ、本年度は本調査に向けた調査票作成などの準備を行っていく。
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Research Products
(6 results)