2024 Fiscal Year Research-status Report
プレイス・ブランディングにおけるセンス・オブ・プレイス手法の体系化
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23K25104
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長尾 雅信 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50467065)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 美津恵 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80363951)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | プレイス・ブランディング / センス・オブ・プレイス / 関係人口 / ローカルフォト / 機械学習 / 感情分析 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は国内外におけるプレイス・ブランディングの先端的事例に注目し,センス・オブ・プレイスに関わるアクターの展開を調査し,その特徴を把握することによりセンス・オブ・プレイスの分類と異同を明らかにし,その手法を体系化することを目的とする。さらに本研究では,そこにマネジメントの視点を導入し,場所の意味が如何に生成され,人々に普及していくのかを明らかにしていくことにより独自性と創造性を発揮する。 2024年度は前年度も調査を実施したデザイナーや市民によるセンス・オブ・プレイス探索の先端事例である「ローカルフォト・ムーブメント」(以下,ローカルフォト)に着目し,別地域で実施されたケースを調査し,研究報告を行った。ローカルフォトは,地域の人たちがカメラを手に土地の日常の風景や暮らしに価値を見い出そうとする取り組みであり,まち歩きによる写真撮影会とは一線を画し,社会課題を解決しうるツールであるという認識のもと人々のセンス・オブ・プレイスの探索の能力が磨かれていった。ローカルフォトは移住への効果,地域への愛着や誇りの涵養,地域の創造性の喚起,女性の社会進出といった効果も見受けられ,地域創生の手段としても評価に値するものである。 このほかに,地域間ブランディングの先進地である燕三条にかかるSNSの投稿データを収集し,それを機械学習で解析し,住民や観光客が地域に対して抱く感情を評価した。感情分析には,TransformerベースのLukeモデルを用い,投稿内容から8種類の基本感情(喜び,期待,驚きなど)を特定した。結果として,燕三条というプレイスにかかる感情の変遷を把握した。イベントが期待や喜びと関連し,コロナ禍の影響も感情に反映されていることが解析された。本研究はSNSデータの活用によって,地域のブランド力強化やイベントの効果を計測できる手法を提案し,他地域への応用可能性も示唆しうる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究に関わる書籍や論文を上梓することができ,研究成果の広報も広く実施することができた。機械学習にかかる論文は日本マーケティング学会のベストオーラルペーパー賞を受賞し,高い評価を得ることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
昨年度同様に本格的なフィールド調査を実施することができ,学会報告も積み重ねることができたことから,研究の遂行にあたって必要なネットワークを築くことができた。これらのネットワークから得られる情報を活用しながら,本研究に関するフィールド調査地,対象を広げ研究の目的達成にむけたさらなる調査を進めていく。特にローカルフォトはセンス・オブ・プレイス探究だけでなく,日本社会が抱える課題(地域創生,女性の社会進出等)に大きく寄与する取り組みであり,2025年度もその取り組みを追いながらセンス・オブ・プレイス探究の多様なあり方を調査していく。 さらに海外にて,中山間地域におけるセンス・オブ・プレイス探究やそれに基づいたブランディングを調査し,これまで蓄積してきた調査結果との異同を確認する。これにより,日本の特徴を描き,ブランド・マネジメントへの反映を試みる。
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| Causes of Carryover |
旅費を節約した結果、剰余金が発生した。
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