2023 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセル解析によるケロイド原因細胞の発見と新規治療法の開発
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23H03066
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 盾貴 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00362707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 伸介 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (60403193)
河合 建一郎 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80423177)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | シングルセル解析 / ケロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
ケロイド組織をシングルセル解析に提出するのにあたり、まずは組織をシングルセル化するところより開始した。Miltenyi社のWhole Skin Dissociation Kit, humanを使用し組織を酵素反応させ、同社のgentle MACS dissociatorを用いて細胞を分離させた。さらに適切なシングルセル解析を行うための条件としての「総細胞数:50,000以上、生細胞率:80%以上」を満たすため、セルソーターを用いて死細胞の除去を試みた。当初は生細胞率を確保する目的で、Calcein-AMを用いて生細胞を、SYTOX AADvancedTM Dead Cell Stainで死細胞を染色し、二重でセルソーティングすることを試みた。しかし二重で操作を行うことによる細胞の喪失が原因で総細胞数の確保が難しくなったため、同社のDead Cell Removal Kitによる磁力抗体を利用した死細胞除去と、SYTOX AADvancedTM Dead Cell Stainでの染色およびセルソーティングを組み合わせる方針とした。試行を繰り返し、この方法で上記条件を満たす手技が確立できたため、予備実験として、患者より採取した腹部ケロイド1検体をシングルセル化し、上記条件を満たすべく調製ののち、大学内ゲノム解析室でのシングルセル解析に提出した。解析は問題なく完了し、現在は解析データの解析を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ケロイド組織のシングルへの分離法を確立し、シングルセル解析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目的は、「同一患者におけるケロイドが拡大している部位 VS ケロイドが自然退縮した部位で比較する」ことであるが、今回は予備実験として、腹部ケロイド1検体のみにおいてシングルセル解析を行った。現在は解析結果の分析を開始しているところであるが、分析結果が過去の報告と大きく相違ないことを確認し、今回の方法で問題なく解析できていることを確認した上で、上記の最終目的となるケロイド2検体についてシングルセル解析を行う。解析によりケロイド形成の原因となる細胞をサブタイプまで明らかにし、それと同時にその細胞に発現する遺伝子を明らかにする。加えて、擬時系列解析を行い、擬時間経過による遺伝子発現プロファイルの変化に基づき細胞状態の遷移の描写をすることで、拡大部位と自然退縮部位の細胞の運命分岐を示したい。また、空間トランスクリプトーム解析を行うことで、ケロイドの原因細胞と近傍に存在する細胞種、およびそれらとの細胞間相互作用を明らかにする。それらを基にして、最終的には細胞内あるいは細胞間でのシグナル伝達解析などの具体的な機能解析を行い、新治療法開発へと導きたいと考える。なお、シングルセル解析で得られたデータの解析は、本学にある別講座にも協力していたただきながら進めていく予定である。
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