2023 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜転写プロセスによる高機能なシリコン導波路磁気光学デバイスの実現
Project/Area Number |
23KJ0908
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
峰村 大輝 東京工業大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | シリコンフォトニクス / 磁気光学デバイス / アイソレータ / トランスファープリンティング / マッハ・ツェンダー干渉 / 非相反移相効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,薄膜転写法(マイクロトランスファープリンティング:μ-TP)と呼ばれる技術を利用して,シリコン(Si)上に磁気光学結晶を“200℃以下の低温プロセス”かつ“高密度”に集積する方法の確立を目的としている。μ-TPは薄膜化及び小型化した材料をデバイス上にシールのように貼り付ける技術であり、これまでは主にIII-V族半導体で使用されていた技術である。本研究は世界で初めてμ-TP法によるSi上への磁気光学結晶の貼り付けの実現を目指している。 磁気光学結晶Ce:YIGの成長基板SGGGは酸化物結晶であるため固い材料であり、従来のIII-V族半導体で成功していたμ-TPプロセスをそのまま利用することができない。そこでまずはCe:YIG/SGGGのμ-TPプロセスの確立を目指した。本研究では,①別の支持基板上にCe:YIG/SGGGを貼り付ける,②研磨とドライエッチングによってSGGGを1 μm程度まで薄膜化する、③深掘りエッチングによって小型のシールパターンを作製する,④シール下部の犠牲層を選択的に除去し,シールを宙に浮かせる、⑤シールを持ち上げる,⑥表面処理を施し,Ce:YIG/SGGGシールをSi上に貼り付ける,というプロセスを行った。エッチング条件や犠牲層除去条件,貼り付け条件,シールサイズ条件などの検討を行った結果,従来のダイボンディング法と比較して厚さを約1/300及び面積を約1/56まで小型化したCe:YIG/SGGGを140℃という低温でSi上に貼り付けることに成功した。 さらに本研究では確立した磁気光学結晶のμ-TPプロセスを用いて磁気光学アイソレータを作製した。外部から磁場を印加することで、14 dBのアイソレーション比を達成し、アイソレータとしての動作を実証した。従来のダイボンディング法による磁気光学アイソレータと比較して1/10の設置面積を達成した。
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