2023 Fiscal Year Research-status Report
Teachers' decision-making process: Computational and neuroimaging approaches
Project/Area Number |
23KJ1861
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
柿沼 亨祐 高知工科大学, マネジメント, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 動機づけ / 指導 / 自律性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトの目的は、計算論モデルを用いて指導行動をモデル化することで、指導者の意思決定過程を解明することである。2023年度は、1) その前段階の研究の実施と、2) 計算論モデルに関する情報収集を行った。 1) 自律性支援的指導者や統制的指導者の指導行動をモデル化するための前段階の研究として、自律的な学習者を最も効果的に育てることができる指導アルゴリズムを検証した。記憶、推論、メタ認知、動機づけの先行研究に基づいて作成した複数の指導方略を、アルゴリズム化することで実験操作し、学習者のパフォーマンスに対する有効性を比較検証した。実験は主に指導セッションと独立セッションで構成されており、指導セッションでの指導アルゴリズムの違いによって、独立セッションでの参加者の課題パフォーマンスが異なるかどうかを検証した。実験の結果から、50%もしくは10%の量で、指導するブロックと指導しないブロックを繰り返す方略、50%の指導を分散させる方略は、指導期間での学習者の課題エンゲージメントと再認成績を上昇させ、学習者が新しい状況で独立した際の成績を向上させることが示唆された。 2) 指導者の意思決定過程に関する計算論モデルを作成するために、ドイツで開催された社会的学習のモデリングのサマースクールに参加した。サマースクールでは、社会的学習のモデリングに関する講義や著名な研究者の最新の研究発表を聞くことができた。さらに、実際に生成モデルをプログラムする実践を行った。また、認知科学の国際学会で発表を行い、他の研究者と社会的認知や指導に関連する計算論モデルについてディスカッションを行った。これらの知見をもとに指導者の意思決定過程をモデル化し、2024年度に指導者を対象とした実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、自律的な学習者を育成するための指導アルゴリズムを明らかにし、指導者の意思決定過程に関する計算論モデルの着想を得たものの、指導者を対象とする実験は実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、成人が指導者として参加する実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は実験実施費用が当初の見積額よりも低くおさまったため。 2024年度、行動実験の実施と、学会や論文での成果発表のための経費に使用する予定である。
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