2014 Fiscal Year Annual Research Report
国際市場を前提とする服飾造形とテキスタイルの設計提案に関する技術的経営的研究
Project/Area Number |
24220012
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高寺 政行 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10163221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 毅 信州大学, 学術研究院繊維学系, 特任教授 (00092867)
森川 英明 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10230103)
乾 滋 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10356496)
南澤 孝太 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 准教授 (10585623)
佐藤 哲也 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20252546)
鋤柄 佐千子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (30216303)
大塚 美智子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30233183)
西松 豊典 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (40252069)
宮武 恵子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (40390124)
韓 載香 北海道大学, 経済学研究科, 准教授 (60396827)
柳田 佳子 文化学園大学, 服装学部, 准教授 (60409323)
石川 智治 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (90343186)
古川 貴雄 共立女子大学, 家政学部, 准教授 (70262699)
松村 嘉之 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (50362108)
金 キョンオク 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (30724885)
鈴木 明 杉野服飾大学, 服飾学部, 教授 (60349149)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2017-03-31
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Keywords | テキスタイル / ファッション / アパレル / 国際市場 / 衣服パターン / デザイナー / テキスタイル選択 / 触覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
ファッションテキスタイルの分類法を検討しTPSのDB構築・評価実験を推進した。感覚的な用語や評価値を用いた生地検索システムを構築し、実務経験者により実験、実用可能性を判断した。海外評価の高い国産高級素材の国際評価実験により認知属性と相反する新規性を新たに認知させる可能性を発見した。アパレルの有彩色の色相変化からブランドとシーズンの特徴、地域性を指摘した。異なる布で製作された衣服をシミュレートし、既存シミュレータの再現度とデザインでの有効性を調査し、布物性パラメータの簡易な設定法を提案した。 日仏のパターン作成過程を比較し、差異とデザイナーとの暗黙の了解を実証した。三次元スキャンデータにより中国東北部中高年男女各100名の人体計測を実施した。日中の百貨店アパレル試料を両国の衣服専門家に求評し、両国の評価傾向の差異を見出した。 テキスタイルのオンラインショップを想定し、デザイナーが提示情報で可能な選択内容を明示する実験を実施、不明確な情報付与による選択の困難性を見出した。テキスタイルの選択が容易になる付加画像の知見を得た。シミュレータでの布の表現能力について評価し、生地の色柄依存性を提示した。触覚代替視覚情報研究において撮影方法を考案した。布地の触感的質感の伝送、様々な質感をもつ布地を識別し、さらに似た触感をもつ布地を選出するシステムを検討した。 国際テキスタイル展示会に本邦でもっとも出展回数の多い企業に注目し経営上の特質を継続して追及。伊主力産地Biella・Prato・Comoの中堅テキスタイルメーカー(Tm)のパリ・ミラノメゾンとの取引と両設計過程の関係につき現地調査し仮説を提示し、TPS有用性を示唆した。繊維・ファッション産業の企業間取引の構造をネットワーク分析を応用し分析し、環境による企業取引の変化傾向を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に示した作業が予定通り進んでおり、成果が出ている。 クチュールメゾン(Cm)やファストファッション(Ff)のテキスタイル選択の過程を推定し、最終製品である服飾設計の特徴を整理したうえで、仮説を設定した実験を繰り返し、その結果が論文化され、IFの高い国際雑誌にも採録されている。当初目標にむかって順調に進んでいるといえる。研究者間で、テキスタイル提示に関する服飾設計者の認知的限界についての問題は浸透しており、modelismeのみならず、stylismeをテーマとする実験を実施し、前掲に準じ順調に論文化されている。 テキスタイル提案システム(TPS)の構築に関しては、内外から試料を収集し、デザイナー視点で再整理、感覚表現語を工夫しDBを構築しつつあり、中間段階で実務側から一定の評価を受けており順調に推移している。 衣服の生理的物理的条件をクリアしたのちは、着用者から見た服飾の可否はスタイリングにある。設計者が意図するスタイリングはmodelismeで実現される。Modelismeと製造工程の関係を明示する実験と調査は進行中である。 テキスタイルのプレゼンテーション技術に関しては、テキスタイルの属性を分析し、また、テキスタイルを力学的に扱う視点からファッション衣料に有用なテキスタイルを指摘できる。そのメリットを活かしてこの問題を順調に処理している。テキスタイル属性に関するテクスチャ・色と触感デバイスの要件はほぼ完了。静的なドレープやしわ、動的な揺れ、触感にかんする言語、標準試料・尺度の定式化も順調に進展している。 パリ・ミラノメゾンと取引ある伊のテキスタイル設計現場では、メゾンのStudio部門のアシスタントと頻繁な接触を維持していることが調査で明らかになった。これがTPSでどこまで代替できるかという目標設定ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
各パートの課題の深化とともに隣接関連他領域との活発な相互作用による研究目的達成を目指す。ファブリックシミュレータ、クロスシミュレータによる伝達、言語の代替伝達、標準試料・尺度の情報化と伝達、触感デバイス可能性につき、さらに進化させる。国際ファッション市場における触覚依存状況をさらに調査し、触覚代替としての視覚情報の研究を、国際的な競合を意識しながら進める。デザイナーを対象とし、試作したテキスタイル検索システムの実用性を検討し、TPS構築を総合的に推進する。 ファッション衣料の設計はstylismeとmodelismeに大別されるが、供給される知識の大半はほぼmodelismeである。 国際プレゼンスを高めるには stylismeの領域の知見を充実させる必要がある。しかしこの領域は計測しがたく定式化しにくい。それでもここを突破しないとこの研究の目的は達成できない。ファッション衣料の設計は芸術ではなくビジネスであるという視点を重視し、論理の組み立てを根本から再検討する必要を感じている。 テキスタイルの情報提示の研究における実験で、被験者デザイナーの確保が難しいという問題がある。現状では十分な数の被験者を確保するまでには至っていない。このため少し幅を広げてアパレルの販売経験者や、被服関係の学生も被験者として協力をいただいている。また、関係者を通じてデザイナーの被験者を募ることを予定している。 既製服には当然のことながら着心地や身体との物理的適合が必要である。問題はその先にある。着用者が求める着心地や身体との適合性が相対的であるなら、それが積極的に満足をもたらすとは限らない。本研究の究極は日本のファッションの国際プレゼンスを高めるための有用な概念の提供にある。世界市場での服飾造形ニーズを知り、少しでも積極的な満足を高める衣服の提案を可能にすべく研究を推進する。
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Research Products
(89 results)
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[Presentation] 布地の視覚および触覚認知2015
Author(s)
石川智治
Organizer
視覚科学技術コンソーシアム
Place of Presentation
高知工科大学サテライトキャンパス(東京都港区)
Year and Date
2015-03-06 – 2015-03-06
Invited
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[Presentation] Measurement of Poisson’s ratio of yarn2014
Author(s)
Tamotsu Arichi, KyoungOk Kim, Masayuki Takatera
Organizer
International Symposium on Fiber Science and Technology 2014 (ISF2014)
Place of Presentation
Tokyo Fashion Town Building,Tokyo Japan
Year and Date
2014-09-28 – 2014-10-01
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[Presentation] Handling of Virtual Cloth2014
Author(s)
Shigeru Inui, Yuko Mesuda, and Yosuke Horiba
Organizer
International Symposium on Fiber Science and Technology 2014 (ISF2014)
Place of Presentation
Tokyo Fashion Town Building,Tokyo Japan
Year and Date
2014-09-28 – 2014-10-01
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[Presentation] 風合い評価による生地の分類2014
Author(s)
川村敦,朱春紅,Yi Li,金炅屋,高寺政行
Organizer
第16回日本感性工学会大会
Place of Presentation
中央大学後楽園キャンパス(東京都文京区)
Year and Date
2014-09-04 – 2014-09-06
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[Presentation] 生地情報の伝達手法の開発2014
Author(s)
石踊伸行,木村義太郎,乾滋,堀場洋輔
Organizer
平成26年度繊維学会年次大会
Place of Presentation
タワーホール船堀(東京都江戸川区)
Year and Date
2014-06-11 – 2014-06-13
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