2013 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットを通じた創発的な創造活動のモデル化と支援に関する研究
Project/Area Number |
24240014
|
Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
武田 英明 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (80252831)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | CGM分析 / 創作活動 / Web 2.0 / コラボレーション / 社会ネットワーク |
Research Abstract |
(1)ニコニコ動画データの分析:平成25年度に構築したデータを用いて創作過程の分析を行った。(1a)創作チェーンの抽出:実際のデータでは創作関係はつながっており、このままでは個別の創作プロセスはみえない。まず一定の基準を作ってリンクを削除してコンポーネットの抽出を行った。(1b)創作チェーンの可視化:コンポーネントにおいても創作カテゴリとリンクは複雑に関係し合っている。このため、この創作チェーンを可視化するシステムを構築した。 (2)ソーシャルネットワーク上での伝搬プロセスの分析:大規模なソーシャルネットワークにおいてはある人が生成させた情報がどのように伝搬するかを知るのはネットワーク上の創造的活動の分析に重要である。そこで、twitterネットワークを使って情報伝搬のモデルを構築した。このモデルは情報の発生者、仲介者、利用者をネットワークデータのみから推定するモデルである。この手法を用いて大規模災害の前後でユーザの役割変化が捉えられることを示した。 (3)サイテーションネットワークにおけるクラスタリング分析:学術活動も現在はオンラインでのつながりを用いて行われていることが多い。必ずしも既存の分野内でのネットワークや国別のネットワークとはならない。この点を知るために、ネットワーククラスターリングを手法を用いて、学術論文のサイテーションネットワークからクラスター抽出を行い、結果を分析した。 (4)2ちゃんねる・まとめデータの分析:昨年度に構築した2ちゃんねるのスレッドとそのまとめスレのデータベースを利用して、編集行為の特徴抽出を行った。 (5)インターネット上での議論のモデル化:インターネット上での議論は重要な創造的活動であり、ユーザの議論能力に基づくモデルを提案して検証した。 (6)写真に基づいた共同型創作システムの試作:写真レイアウトを共有して撮影行為を共同で行うシステムを構築して、共同型創作活動支援の試みを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次ごとにデータの作成、分析と順次進んでいる。ただ、一部のデータ分析に関しては想定したような分析がデータの性質上難しいことが判明した。
|
Strategy for Future Research Activity |
概ね計画通りに進んでいるので、基本方針は変えない。本研究は純粋に計算機科学的研究ではなく社会科学的側面もある学際的研究なので、データ分析結果をどのような視点から評価するかを考える必要がある。
|
Research Products
(7 results)