2013 Fiscal Year Annual Research Report
事故・災害と安全基準構築に関する比較科学技術史的研究
Project/Area Number |
24240106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 毅彦 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90237941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 雅範 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (00211839)
岡本 拓司 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30262421)
金 凡性 広島工業大学, 環境学部, 准教授 (30419337)
柿原 泰 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (60345402)
鈴木 淳 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80242048)
鈴木 晃仁 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (80296730)
廣野 喜幸 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90302819)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学史 / 技術史 |
Research Abstract |
平成25年度もそれぞれの事例研究(原発・放射線、航空・宇宙開発、機械・船舶、地震・水害、環境、過失事故)における文献調査を継続した。文献調査に関しては、橋本がイギリスの公文書館において航空関係の国際標準の制定に関して資料を調査した。飛行船の不時着事故により航空機の国際規格の必要性が強く認識され、第一次世界大戦後に国際的な各種の航空規格の体系が策定されていった様子を追いかけた。 また研究分担者、研究協力者および外部の研究者と連携して研究の活性化を図るため、平成25年度には9月に2回、3月に1回、計3回の研究会を開催した。9月7日の第四回研究会では元ISO会長田中正躬氏(現日本規格協会標準化研究センター長)を講演者に迎え、「EUの規制に見る現代の国際標準」というタイトルでISOをはじめとする現代の国際標準機関の役割について講演していただいた。 9月28日の第五回研究会では、中村晋一郎氏(東京大学生産技術研究所)より「日本における基本高水算定手法の変遷」というタイトルで、また研究分担者の鈴木晃仁氏(慶応大学経済学部)より「PTSDと近代社会の<層>について―日本における鉄道・戦争・災害神経症について」というタイトルで、それぞれ水害およびヒューマンファクターの安全基準にかかわるテーマで発表していただいた。 3月15日の第六回研究会では、研究分担者の鈴木淳氏(東京大学人文社会系研究科)より「明治の火災予防・消防規則」というタイトルで、また関澤愛(東京理科大学国際火災科学研究科)より「火災と消防に関する防火の課題・基準・体制の現代史」というタイトルで、近現代の火災と消防に関する基準の歴史について発表していただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年は計三回の研究会を開催して知識を得るとともに、メンバー相互の理解も深めることができた。田中正躬氏には旧通商産業省ならびに国際標準化機構での実務を担当された経験から内外の標準化の諸活動と制度に関して貴重な知見を提供していただくことができた。また中村晋一郎氏には日本の戦後の治水技術の歴史的発展に関する博士研究についてご発表いただき、知見や情報の交換を行うことができた。鈴木晃仁氏には第二次世界大戦以前の日本における戦争神経症について現在進行中の研究から労働安全について興味深い視点を提供していただいた。鈴木淳氏、関澤愛氏には歴史的、および防災科学的観点から防火と消防に関する知見をいただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もそれぞれの分野の文献調査を継続しつつ、7月、9月、3月にそれぞれ一回ずつ研究会を開催する予定である。 7月には児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術センター)および研究分担者の柿原泰氏(東京海洋大学)より放射線被爆の安全基準について、9月には研究分担者金凡性氏(広島工業大学)および研究協力者Gregory Clancey氏(シンガポール大学)より地震強度の制定、耐震基準の構築などに関して発表していただく予定である。また9月には、それとともに、鉄道の安全性、安全基準についても詳しい渡邉朝紀東京工業大学特任教に講演頂く予定である。3月の会合については未定であるが、テーマを早急に決定していこうと考えている。また、交通関係では航空とともに、鉄道とともに船舶をめぐる安全基準に関しても可能であれば調査を進めたいと考えている。 海外調査については、代表者の橋本がイギリスあるいは米国の調査を引き続き行い、分担者の金がマレーシアに渡航して研究シンポジウムに参加する予定である。
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Research Products
(22 results)