2012 Fiscal Year Annual Research Report
微量金属多元素分析に基づく太平洋・インド洋・日本海の鉛直断面観測
Project/Area Number |
24241004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗林 由樹 京都大学, 化学研究所, 教授 (50197000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中口 譲 近畿大学, 理工学部, 教授 (30188916)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 海洋科学 / 微量元素 / 同位体 / 物質循環 / 環境分析 / 化学海洋 / 生物海洋 / 生物圏地球化学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,太平洋,インド洋,日本海・日本近海における微量元素の鉛直断面分布とストイキオメトリー(化学量論)を明らかにすることである.平成24年度の主な実績は以下のようである. ●海洋観測.平成24年8月~10月の白鳳丸KH-12-4航海に参加し,北太平洋東西断面の海水試料をクリーン採水した.荒天のため,155°W以東では十分な観測ができなかった. ●生物活性微量金属(Al, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb).(1)エチレンジアミン三酢酸型キレート樹脂固相抽出で一括濃縮するため,無汚染自動濃縮システムを開発した.当初の目標のように,操作ブランクを外洋海水濃度の10分の1以下,相対標準偏差を5%以内とすることにほぼ成功した.しかし,八方バルブの耐久性に問題が見つかった.(2)北極海における分布を論文発表した(Cid et al. 2012).インド洋における溶存態の分布を論文にまとめて,投稿した.日本海,太平洋で得られた試料の分析を進めた.(3)海水中銅の安定同位体比の精密分析法を完成し,論文を投稿した. ●その他の元素.強配位子場元素(Zr, Hf, Nb, Ta, Mo, W).エチレンジアミン三酢酸型キレート樹脂固相抽出で濃縮し,HR-ICP-MS法により一括定量する方法の開発を行った.貴金属(Pd, Pt, Au).エチレンジアミン型キレート樹脂固相抽出-蒸発乾固を用いる濃縮とHR-ICP-MSに基づく新規分析法の開発を進めた.ビスマス(Bi).海水中Biの定量法を論文発表した(Norisuye & Sohrin 2012).Biの海洋における分布を調べた. ●以上の研究に活用するため,最新のICP発光分析装置を導入した.無汚染UV照射分解システムを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遅れている主な点は,生物活性微量金属の海洋試料の分析,強配位子場元素および貴金属元素の分析法の開発である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は研究協力者となる学生の数が減るので,生物活性微量金属と貴金属元素の研究に努力を傾注する.連携研究者であった則末助教が,平成25年4月付で新潟大学准教授に昇任したので,新たに研究分担者に加え,体制を強化する.研究分担者の中口教授,則末准教授との連絡を密にして,研究の推進を加速する.
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Research Products
(17 results)