2015 Fiscal Year Annual Research Report
先住民族の労働・生活・意識の変容と政策課題に関する実証的研究
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24243055
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小内 透 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80177253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 剛毅 札幌国際大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50412911)
濱田 国佑 駒澤大学, 文学部, 講師 (50634523)
佐々木 千夏 旭川大学短期大学部, その他部局等, 助教 (50711222)
小野寺 理佳 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (80185660)
小内 純子 札幌学院大学, 社会情報学部, 教授 (80202000)
品川 ひろみ 札幌国際大学短期大学部, その他部局等, 教授 (80389650)
新藤 慶 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80455047)
新藤 こずえ 立正大学, 社会福祉学部, 講師 (90433391)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 先住民 / アイヌ / サーミ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.4カ年計画の最終年度に当たる2015年には、フィンランドのサーミ調査と3カ年にわたるアイヌ調査の最終報告書の作成を行った。 2.サーミ調査では、都市サーミ協会、各種の言語の巣、基礎学校(小中学校)、サーミ教育専門学校のヒアリングとアンケート調査を実施した。その結果、①フィンランドには各種のサーミ語に関して、就学前の子どもたちへのサーミ語のみの保育が行われる言語の巣があり、それを背景にして近年サーミ語話者が増加していること、②イナリ基礎学校では、公立学校でありながら各種のサーミ語のいずれかを母語として選択することができ、各言語の教科書による教育が行われていること、③しかし、多くの保護者、教員、中学生があえてサーミ学校にする必要はないとし、現状に満足していること、④職業教育訓練を提供する後期中等教育機関としての国立サーミ教育専門学校では、フィンランド語とサーミ語が教授言語とされ、サーミ以外の人々も含めた生徒がサーミ語の教育やサーミ文化にもとづく職業に必要な教育がなされていることなどが明らかになった。 3.アイヌ調査の最終報告書では、①各地域ともアイヌの人々の学歴が低く、それは学校での被差別体験にもとづく勉学意欲・学力の低下によりもたらされた場合が多いこと、②差別を避けるためアイヌの人々に固有の職場が形成され、いわば「アイヌ労働市場」が存在する傾向があること、③それらの職場は条件の悪いことが多く、結果的に低所得者が多くなっていたこと、④ただし、アイヌ差別が弱まり、アイヌ文化が称揚されるようになるにつれ、積極的なアイヌ・アイデンティティを持つ者が増加していること、⑤アイヌの人々はアイヌ政策として、差別の解消、アイヌ文化の振興、経済・教育支援のいずれもが必要だとするのに対し、多くの一般住民は経済・教育支援に関しては否定的であることなどを明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)