2012 Fiscal Year Annual Research Report
大学における学術管理職と経営管理職の相互作用システムに関する国際比較研究
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24243074
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川嶋 太津夫 神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20177679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 光子 日本大学, その他の研究科, 教授 (10317761)
小方 直幸 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20314776)
白鳥 義彦 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (20319213)
両角 亜希子 東京大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (50376589)
山本 清 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60240090)
米澤 彰純 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (70251428)
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Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2016-03-31
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Keywords | 教育社会学 / 大学経営 / シェアード・ガバナンス / 大学改革 / 国際比較研究 |
Research Abstract |
今年度の研究活動は大きく4つからなる。 1.国内外の文献・資料、インターネット調査による理論枠組み構築のための予備調査。 2.外国の先行研究を参考にしながら、国内大学の一般教員4000名を対象として、「大学における意思決定と運営に関する調査」を実施し、1689名から回答を得た(回答率42.2%)。 1)教員として最も関心が高いのは教育・学生と学術・研究であり、今後もこの2つの活動を重視していくと回答した割合が、大学運営や社会活動を重視すると回答した割合より高い。2)現在の大学運営に満足している割合は約5割。逆に、どこで意思決定がなされているのか分からないと回答した割合は6割を超える。また、政府が大学改革に関与しすぎると回答した割合も6割を超える。3)教員が今以上に関与すべきと考えるのは、学内予算配分と大学の将来計画で5割を超える。4)学長選考の際に選挙を行わず理事会・学長選考会議等で決定されると回答した割合は3分の1あるが、学長を教員による選挙で選ぶべきだと回答した割合は8割を超える。5)所属学部で現在最も課題となっているのは学生の確保と就職問題という入口と出口である。6)勤務先の大学への関心やコミットメントは非常に高いが、管理職を引き受けると回答した割合は約6割にとどまる。 3.上記アンケート調査の第1次報告を含めて、イギリスからの研究者(ジョン・テーラーリバプール大学教授)及び国内研究者(大森不二雄首都大学東京教授)を迎えて、日英両国における大学の学術管理職と経営管理職の現状と課題に関する国際ワークショップを開催(3月28日)。 この他、研究分担者、連携研究者を加えた研究会を2回開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は追加採択のため、年度途中からの研究開始であった。そのため、申請書に計画した海外調査等は十分に実施できず、国内で可能な大規模アンケート調査と国際ワークショップを開催し、次年度からの本格的な研究活動の予備的段階と位置付け、研究計画を再構築した。この再構築した研究計画のほぼ全てを実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、研究の理論的枠組みを構築することを第一の目標とする。 1)平成24年度に我が国の大学教員を対象に実施した大学の管理・運営に関する調査結果を詳細に分析し、その結果をもとに同様の調査が研究対象国でも実施可能かどうかを検討する。 2)対象8カ国の国レベル、機関レベルについて、学術管理職、経営管理職の定義や職務・権限等に関する法律、政策文書、大学規定集等を収集、分析する。 3)研究分担者、連携研究者の分業により、国内の大学を中心に優れた事例と考えられる複数の大学を訪問調査する。候補大学としては、京都大学、早稲田大学、メルボルン大学(豪州)、ペンシルバニア大学(米国)、パリ大学、リヨン大学(仏国)、ベルリン大学(独国)などが考えられる。最終的な訪問大学は、海外協同研究者等と情報交換しながら決定する。 4)以上の各種調査研究を踏まえ、仮説的に分析枠組みを構築し、その妥当性を海外からのこの分野の研究者(たとえば、ロンドン大学のシャトック教授など)を招へいして国際ワークショップを開催し、検討する。
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Research Products
(5 results)