2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24244002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今野 一宏 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10186869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大渕 朗 徳島大学, その他の研究科, 教授 (10211111)
徳永 浩雄 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30211395)
小木曽 啓示 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40224133)
臼井 三平 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90117002)
足利 正 東北学院大学, 工学部, 教授 (90125203)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2017-03-31
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Keywords | 堀川指数 / モノドロミー / 楕円曲面 / 代数曲線 / ホッジ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
代数曲線束をもつ非特異射影代数曲面を主な研究対象として,その垂直方向・水平方向の曲線の研究を文字通りの縦糸・横糸として,射影代数曲面の幾何学的な構造を多角的に研究した.研究代表者や研究分担者によって得られた研究成果は以下の通りである. 種数3の非超楕円曲線束における特異ファイバーとして本質的なものを書き上げるためには,小山2重点の研究が不可避である.本年はこの種の特異点の例外集合の形状を,基本種数が3の場合に,組み合わせ論的に特徴付けた.また,アイヒラー跡公式のvariation 等を用いて, モノドロミーとモジュライ写像を経由する方法での種数3の堀川指数の明示問題に進展があった. 低次の曲線配置のトポロジーに関する研究を,二面体群をGalois群とする分岐被覆,楕円曲面の整数論な性質,楕円曲面の2重切断を利用して行った. 代数曲線の自己同型群が巡回群、対称群や二面体群などよりはもう少し一般的な群になる場合について,代数曲線の定義方程式の立場から研究を行った. 加藤・中山・臼井の共同研究による対数的混合ホッジ構造の良モジュライとしてのネロンモデルを使い,3次元5次超曲面に対する開ミラー対称性を記述して論文にし,受理された. 正標数のK3曲面と標数零のK3曲面の自己同型をDeligneによるliftingを通して比較するための一般的枠組を複素力学系的観点から構築した(H. Esnault氏との共同研究), 2014年にソウルで開催された国際数学者会議(ICM)で招待講演した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代数曲線束をもつ複素曲面上の垂直方向の曲線について,局所不変量を抽出する新しい手段としてアイヒラー跡公式を応用する方法が考案され,種数3の場合に一定の成果を挙げた.まだ決定版には至っていないが,今後の進展が大いに期待できる.また,横方向の曲線については,有理楕円曲面の2重切断を有効に活用して,分岐被覆理論と絡めた考察を施すことによって,低次数曲線の配置のトポロジーに関する新たな知見を得た.さらに代数曲線の正則自己同型群の研究も定義方程式との関連において進展があった.以上のような成果を考慮するとき,本研究課題は概ね順調に進展していると結論される.
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Strategy for Future Research Activity |
研究組織は引き続き現状を維持し,研究代表者に研究分担者5名(足利,徳永,大渕,小木曽,臼井)と連携研究者4名を加えた10名を基本形態とする.これに課題の専門性や地理的条件を考慮しつつ複数の研究協力者の参加を仰ぐことによって,効果的な研究を遂行可能にする. 種数3の場合には,足利に依ってアイヒラーの跡公式を有効に利用する手段が開発された.同様の方法は,より高い奇数種数の一般曲線束にも拡張されるべきである.今後は,これを目標のひとつに掲げ,局所不変量の研究を推進する. 研究協力者どうしの議論を活発にして,本研究の深化を図る目的で,研究初年度から首都大学東京秋葉原サテライトキャンパスにおいて「代数曲面論ワークショップ」を定期的に開催している.今年度もこれを継続する.
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