2013 Fiscal Year Annual Research Report
住居内環境の日変化・年変化に伴う居住者の場所選択行動とその設計への応用
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24246098
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久野 覚 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70153319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 輝幸 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30281067)
飯塚 悟 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40356407)
岩田 利枝 東海大学, 工学部, 教授 (80270627)
望月 悦子 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80458629)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
佐古井 智紀 信州大学, 繊維学部, 講師 (70371044)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境心理生理 / 温熱環境評価 / 視環境評価 / シミュレーション |
Research Abstract |
久野・齋藤は、モデルハウスおよび実験住宅での年間被験者実験の結果より、夏期では風速0.6m/s以上の気流が得られれば気温34℃程度まで平均皮膚温が上昇せず、冬期では日射を積極的に取り入れることで日当たり満足感が向上し、エアコンを使用しなくても熱的快適性が確保されることを明らかにした。また、場所選択行動において、夏期に通風のある快適な場所では通常とは異なる行為も選択されること、冬季において近傍に日射がある場所でも同様の結果が得られること、温熱環境が中立である中間期では光環境が好影響を与えることを示した。さらに久野は、住宅内および都市空間において年間調査を行い、開放的で安定的な空間が快適であること、住宅実験ではアプローチによって輝度差が大きくなる場所でプレザントネスが生じること、都市空間実験では明るさの差が開放性に、アプローチでの情報の差が安全安定性に影響を与えることを明らかにした。 飯塚・佐古井は、CFD と人体熱モデルをオフラインで接続し、夏季通風時の室内温熱・気流環境解析と人体温熱生理状態の予測に取り組んだ。加藤は、人体と接触、或いは近接する家具の熱的影響についてサーマルマネキンを用いて検証した。 岩田は、昼光利用を行う住宅居室での光環境調整行動の計算フローを提案した。熱的中立時における昼光シミュレーションを行い、居住者の光環境調整行動により明るさ感を確保しつつ照明用電力を削減できる可能性を示した。夜間についても、実際の住宅照明を調光・調色可能なLEDシーリングライトに取り替えた実測により、居住者による光環境調整によって照明用電力削減効果とメラトニン抑制光の低減効果を確認した。望月は、少ない光束を空間内に効果的に分配し、住宅居間で行われる多様な生活行為に適した照明環境を形成するため、各種生活行為を考慮した住宅居間光環境の快適性について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
春夏秋冬の端境期を含め、モデルハウス等での実験はほぼ計画通り進んだ。CFDと人体温熱モデルの連成シミュレーション、および視環境グループの検討も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
温熱環境グループは適宜確認実験を行い、一日・一年を通じた室内環境の変化に伴う行動の変化について検討する。温冷感シミュレーションについては精度の向上・適用範囲の拡張を図る。また、通風・自然換気に関して開口部の設計や換気方法、部屋のプランニングについて検討する。視環境グループは被験者実験から得られた自然光と温熱環境の組み合わせによる照明の必要・不要を踏まえて、照明シミュレーションによる室内光環境の詳細な検討を行う。また、LED照明の設計法についても検討する。 全体を統合して、最適な場所を選択することにより不要なエネルギー消費を抑え、自然と共生して暮らす方法の提案とそのような暮らし方が可能となる住宅のあり方、従来の一般的な暮らし方に対する省エネルギー効果について検討する。
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Research Products
(22 results)