2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24247011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
小林 悟 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90225508)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生殖細胞 / 性決定 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
生殖細胞系列の性差が生み出される機構は未だ十分な解明がなされていない。私たちは、ショウジョウバエの生殖系列で機能し、メス化を誘導することができる遺伝子としてSxlを同定した。本年度は、1)始原生殖細胞中においてSxlにより制御される下流メス化遺伝子の探索および、2)Sxl遺伝子の発現活性化に関わる遺伝子の探索を開始した。 1)Sxlタンパク質は、ターゲットRNAに結合し、そのスプライシングや翻訳を調節するRNA結合タンパク質である。そこで、SxlとGFPの融合タンパク質を作成し、それを始原生殖細胞のみで発現させ、このタンパク質と結合するRNAをGFPに対する抗体を用いて免疫沈降させることを試みた。Sxl/GFP融合遺伝子をGal4/UASシステムを用いて、始原生殖細胞でのみ発現させた。この胚全体からGFP抗体を用いて免疫沈降させることにより、始原生殖細胞のみを単離しなくても、この細胞内に存在するSxlタンパク質を含むRNA複合体を沈降させることができる。この胚の量および免疫沈降の条件等を検討した結果、最終的にSxlを含むRNP複合体を免疫沈降した。さらに、そこからRNAを得ることに成功し、シーケンシング解析を行うことができた。 2)性染色体(X 染色体)上のbHLHをコードする遺伝子にターゲットを絞って、Sxl遺伝子の始原生殖細胞における発現を活性化する可能性のある候補遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
始原生殖細胞中で発現するSxlタンパク質に結合しているRNAを上記のように得ることができた。これは、始原生殖細胞中においてSxlにより制御される遺伝子を同定するための第一歩となり、生殖細胞系列における性決定に関わる新規遺伝子(カスケード)の解明へと発展する。
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Strategy for Future Research Activity |
RIP解析により、始原生殖細胞中においてSxlタンパク質と共沈するRNAを同定することができた。今後は、このシーケンスデーターの詳細な解析を行うとともに、候補RNA中にSxlタンパク質の結合モチーフが見出されるか、これら候補RNAの始原生殖細胞での発現をin situ hybridizationにより解析、さらにRNAi法を用いてノックダウン時の表現型を解析する。 さらに、ヒドラを用いた生殖幹細胞の雌雄差を特徴つける遺伝子の探索を新たに開始する。
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Research Products
(6 results)