2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24247011
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
小林 悟 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90225508)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生殖細胞 / 性決定 / ショウジョウバエ / ヒドラ |
Research Abstract |
抗GFP抗体を用いてSxl/GFP融合タンパク質を含むRNP複合体を免疫沈降させ、そこに含まれるRNAを次世代シーケンサーで解析することができた(RIP解析)。本年度は、シーケンスデータを解析し、コントロール(GFPのみを始原生殖細胞で発現させ、GFP抗体で免疫沈降させた標品)と比較し実験群(Sxl/GFP融合タンパク質を始原生殖細胞で発現させ、同様に免疫沈降させた標品)で32倍以上enrichするRNAを選別し、そのうちSxlタンパク質の結合モチーフを持つものを309種類同定した。さらに、既に得られている始原生殖細胞のみを単離し得られた時系列トランスクリプトームデータから始原生殖細胞において発現が認められるものを119種類にしぼった。現在、これらRNAの胚における発現をin situ hybridizationを用いて調べており、この解析が終了後は、速やかに機能解析に移行する予定である。 また、ヒドラを用いた研究も開始した。ヒドラは、体細胞には性差が観察されず、生殖細胞にのみ雌雄差が見られる。そこで、この動物において、生殖幹細胞の雌雄性を特徴付ける遺伝子を同定し、その役割をヒドラで明らかにするとともに、ショウジョウバエとの共通性を探る研究も開始した。本年度は、ヒドラの多能性幹細胞,雌性生殖幹細胞、雄性幹細胞をセルソーターで分取するため、それぞれの細胞で蛍光タンパク質を発現する形質転換体を作成し、実際にそれぞれの細胞群をセルソーターで分離可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、始原生殖細胞中においてSxlに結合するRNA候補を予定通りに同定できた。今後これらRNAの発現解析を修了させ機能解析に移行する。この成果は、生殖細胞の性決定機構を解明する新たな基盤となりうると考えられる。また、ショウジョウバエとは系統的に離れたヒドラの生殖幹細胞の雌雄を特徴づける遺伝子の同定のための基盤を築くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Sxl/GFP融合タンパク質に結合する候補RNAの機能解析をRNAi法を用いて進め、生殖細胞の性決定に自律的に関わる遺伝子(RNA)を同定する。また、ヒドラにおいてセルソーターを用いて多能性幹細胞、雌性生殖幹細胞、雄性生殖幹細胞を分取し、次世代シーケンサーを用いてRNAseq解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)