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2013 Fiscal Year Annual Research Report

神経軸索再生を制御するシグナル伝達機構

Research Project

Project/Area Number 24247025
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

松本 邦弘  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70116375)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords遺伝学 / 再生医学 / シグナル伝達 / 神経科学 / 脳・神経
Research Abstract

平成25年度は、神経軸索再生機構を制御する因子のうち、主にSVH-4とSVH-5について解析を行った。SVH-4はSVH-2とは異なるサブグループに属する、保存された受容体型チロシンキナーゼである。分子遺伝学的な解析から、SVH-4は細胞自律的かつそのキナーゼ活性依存的に軸索再生を制御しており、しかもSVH-2と同様にJNK型MAPキナーゼ経路の上流で機能することが示唆された。また、SVH-4のリガンドも同定し、その変異体ではsvh-4変異体と同様に軸索再生率が低下すること、そしてこの低下はSVH-4の過剰発現により抑圧されることを見出した。さらに、SVH-4はJNK経路で機能するアダプター因子SHC-1と結合すること、そしてSHC-1の多量発現によりsvh-4変異体の軸索再生低下の表現型が抑圧されることも見出した。以上の結果から、軸索再生においてSVH-4のリガンドがSVH-4を活性化し、それがSHC-1を介してJNK経路の活性化に寄与することにより、軸索再生を制御することが示唆された。一方、昨年度に引き続いて転写因子であるSVH-5についても解析を行った。SVH-5は軸索切断によるsvh-2遺伝子の発現誘導に必要であることが昨年度までに判明していたが、今年度はsvh-2のプロモーター配列上でSVH-5の結合部位を予想し、その部位に変異を導入することでSVH-5によるsvh-2遺伝子の発現誘導に必要なcis領域の探索を行った。また、SVH-5とは別の転写因子がsvh-2の発現誘導に必要であることを新たに見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画では、平成25年度は、
(1) 神経軸索再生を正に制御するSVH-1/2経路で機能する因子の解析;(2) 神経軸索再生を負に制御する因子の解析;(3) 線虫の神経軸索再生を制御するシグナル因子の機能解析;(4) EGF受容体/LRRK輸送システムによる神経軸索再生制御機構の解析;を行う予定であった。そのうち、(1)は神経軸索切断によるsvh-2遺伝子の発現誘導に必要な転写因子SVH-5について解析し、これについて新たな知見をえることができた。(2)についてはRhoGAPの関与をみいだしており、(3)についてはSVH-4の解析を進めた。
これらの進捗状況を見る限り、全体的にはほぼ当初の予想どおりに進展していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

3年目にあたる来年度は、時間的制約を考慮して進展が著しいテーマを優先して研究を推進する。
(1) 線虫の神経軸索再生を正に制御する因子SVH-5の解析:転写因子SVH-5に加えて、svh遺伝子のひとつとして同定された別の転写因子も、SVH-5と同様にsvh-2遺伝子の神経軸索切断による発現誘導に必要であることを見出した。そこで、今年度はこの2つの因子がどのようにsvh-2遺伝子の発現誘導を制御しているのか、解析する。
(2) 線虫の神経軸索再生を正に制御する因子SVH-4の解析:今年度までの解析から、受容体チロシンキナーゼSVH-4がアダプタータンパク質SHCを介してストレス応答型MAPキナーゼ経路を制御することが明らかになった。今後は、SVH-4が再生前および再生中の切断神経においてどこに局在することにより再生を制御するのか、その時空間的なダイナミクスについて解析を行う。さらに、神経軸索再生に必要な別の受容体型チロシンキナーゼであるSVH-2との関係についても遺伝学的、生化学的な解析を行う。
(3) 細胞骨格制御蛋白質SVH-6、SVH-7の解析:SVH-6とSVH-7について、ストレス応答型MAPキナーゼ経路の上流で機能することを見出している。そこで、線虫および哺乳動物培養細胞を用いた解析を行い、軸索再生における機能を明らかにする。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Forgetting in C. elegans is accelerated by neuronal communication via the TIR-1/JNK-1 pathway.2013

    • Author(s)
      Inoue, A., Sawatari, E., Hisamoto, N., Kitazono, T., Teramoto, T., Fujiwara, M., Matsumoto, K., and Ishihara, T.
    • Journal Title

      Cell Reports

      Volume: 3 Pages: 808-819

    • DOI

      doi.org/10.1016/j.celrep.2013.02.019

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Regulatory mechanism of axonal regeneration in C. elegans2013

    • Author(s)
      永盛友樹、久本直毅、松本邦弘
    • Organizer
      第65回日本細胞生物学会大会
    • Place of Presentation
      ウインクあいち
    • Year and Date
      20130619-20130621

URL: 

Published: 2015-05-28  

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