2013 Fiscal Year Annual Research Report
レアメタルを用いない革新的カップリング法に基づく新規機能性物質の合成研究
Project/Area Number |
24249001
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北 泰行 立命館大学, 薬学部, 教授 (00028862)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 寿文 立命館大学, 薬学部, 助教 (50423116)
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10173410)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 合成化学 |
Research Abstract |
希少資源の使用や環境への負荷が低い新反応や反応剤を開発し、持続可能な合成的手法へと発展させ、さらにそれらを有用物質の合成に役立つように最適化する。これらの基礎研究の完遂に加えて、研究の後半からは得られた有用な低分子化合物群を用い、新規機能を持った物質の創生へとつなげる。本年度は以下の成果を得た。 1.ラクトナマイシンの全合成の達成とプロセスの改良:ヨウ素反応剤を用いる芳香環の酸化とホモフタル酸無水物の環化反応を用い、20工程以下でのラセミ体の全合成をほぼ達成済である。鍵となる官能基化スピロ環の構築に関して、モデル化合物でスピロラクトン骨格の不斉構築を検討し、不斉全合成への目途をつけた。 2.キノン-スピロ型新規抗がん剤を標的とした精密合成:研究代表者らの考案した合成ルートはブロックを連結する独自の着想に基づいており、各種類縁体を簡便に合成できるので、構造活性相関研究の実施に向けて幅広いスピロケタール類を構築し、また、in vivoで活性を示すディスコハブディン類やγ-ルブロマイシンの誘導体作成についても同様に行った。 3.キラルオキソニウムイオン中間体を利用する有機合成反応:我々の方法の特徴を活かし、前年度の研究を継続して、目標とする合成天然物と類縁体の合成を行った。今後、生物活性評価を行い、より優れた化合物の創生を目指す。 4.超原子価ヨウ素反応剤を用いる反応開発:これまでに開発したレアメタルを用いないクロスカップリング反応の進展として、フェニルエーテル類、アゾール類、フェノールおよびアニリン類と様々な芳香族化合物との新規クロスカップリング法の開発に成功した。また、実用性向上を目指して、高活性ヨウ素触媒を用いた有機触媒初となるクロスカップリングにも成功した。以上の方法において、我々が以前に開発したリサイクル型ヨウ素反応剤がこれまで同様用いうることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に掲げた当初の研究目標について、概ね問題なく達成できている。 また、研究成果の公表についても順調に行えている。 研究経費についても、予定どおり無駄なく活用できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの基盤研究を推し進め、創薬研究や物質化学の発展に貢献したい。 これらの研究の過程で新しく重要と思われるテーマについては、その都度この研究計画の中に追加したい。 また、今年度までに得られた成果を基に応用用途に関する共同研究を進めるため、研究計画の着実な遂行に加え、新たな研究の創造に向けた連携体制を模索したい。
|
Research Products
(44 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Generation of 3-borylbenzynes, their regioselective Diels-Alder reactions, and theoretical analysis2013
Author(s)
A. Takagi, T. Ikawa, Y. Kurita, K. Saito, K. Azechi, M. Egi, Y. Itoh, H. Tokiwa, Y. Kita, S. Akai
-
Journal Title
Tetrahedron
Volume: 69
Pages: 4338-4352
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-