2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24249028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平野 俊夫 大阪大学, その他部局等, 総長 (40136718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正晃 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (00250514)
深田 俊幸 独立行政法人理化学研究所, アレルギー科学総合研究センター, 研究員 (70373363)
西田 圭吾 独立行政法人理化学研究所, アレルギー科学総合研究センター, 研究員 (80360618)
山崎 哲 独立行政法人理化学研究所, アレルギー科学総合研究センター, 研究員 (30392161)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞内亜鉛信号 / 免疫反応 / 亜鉛恒常性 |
Research Abstract |
本研究は、亜鉛の生物学的意義について『亜鉛シグナル』を中心に包括的な理解を目指すものである。実際に亜鉛は必須微量元素の一つであるが、細胞内でのその信号伝達系への関与、その生理活性メカニズムはよく分かっていない。『亜鉛シグナル』の概念は、申請者が発見したIL-6およびそのシグナル伝達系の生理機能を研究する過程で発見した独自の現象である。本申請では、亜鉛が細胞内のセカンドメッセンジャーとして機能する分子メカニズムを明らかにし、生体にとっての亜鉛の生理機能を解明することを目的とする。 本年度はマスト細胞を用いた実験と亜鉛トランスポーターの欠損マウスを用いたマウス生体内での実験の2つを行った。(i)試験管内の研究を主に用いて以下の研究を行った。マスト細胞での亜鉛シグナルを中心に研究を行ってL型のカルシウムチャネルがその現象に深く関与することを論文発表した。これまでL型のカルシウムチャネルは細胞表面上にのみ存在することが示唆されていた。しかし、これらの分子は小胞体膜面上にも存在することがわかった。これらの分子をノックダウン、あるいは、チャネルの阻害剤の投与でIgE刺激依存性の亜鉛シグナルが減少し、マスト細胞からの下流の放出を阻害することがわかった。(ii)Znt3欠損マウスを導入して自己免疫疾患との関与を調べるための予備実験を行った。Znt3欠損マウスから胸腺、脾臓、リンパ節、骨髄を単離して免疫系の細胞の存在数を正常マウスと比較して解析した。その結果、免疫系の細胞の存在数には大きな細は認められなかった。今後、自己免疫疾患モデルの実験系を誘導してその発症に差異が認められるか検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、肥満細胞内での亜鉛信号の発生メカニズムに関して論文発表することができたことにより細胞内亜鉛恒常性維持機構の一端がはっきりし予定よりも研究が進んだ。一方、ジャクソンラボから購入した新たな亜鉛トランスポーターノックアウトマウスを用いた研究はマウスの掛け合わせに予想以上の時間がかかっており遅れている。これらを平均化すると②おおむね順調に進行しているとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満細胞を用いた細胞内亜鉛信号研究は小胞体に存在するL型カルシウムチャネルの同定によって一区切りを果たすことができた.現在は新たな亜鉛トランスポーターの欠損マウスを用いて免疫細胞の分化に於ける細胞内亜鉛信号に関して検討を行い、今後は特に、自己免疫疾患との関連を検討していく。
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Research Products
(32 results)