2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24253002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 幸弘 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50236329)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 雷放電 / 集中豪雨 / 災害 / 地上観測網 / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
積乱雲が原因となる集中豪雨は、アジア各地において洪水や土砂災害など毎年のように甚大な被害をもたらし、日本国内でも近年ゲリラ豪雨が問題となっており、精度の高い観測と予測が求められている。しかし、積乱雲の水平スケールは5-10kmと小さいため、詳細な監視観測は最新鋭のレーダー網でも容易ではなく、また世界最高クラスの数値モデルでも予測は難しい。本研究課題では、広域の雷放電観測に基づき、落雷及び豪雨地域について、数時間から数日先の短期予測を行う手法を確立することを目指す。 1) 観測網の整備・拡充と観測の実施: 26年度は、明星電気(株)が有する高崎市の多点稠密気象観測網の中の数点に、新規開発した電場計測装置を装着し、雷雨時の電場及び降雨のデータの取得を行った。また、東南アジア地域での台風被害等による観測機器故障の復旧作業と、拡充のための視察を行った。2) 落雷の位置評定及びエネルギー推定アルゴリズムの改良: 26年度は、25年度までに開発したアルゴリズムの位置評定精度と、落雷の検出率向上のための改良を行った。3) 豪雨地帯の進路予測アルゴリズムの開発: 26年度は、進路予測に必要な雷放電データを整備し、それらの活動予測を行うプログラムの検討に着手した。4) 雷放電と降水量の定量的関係の解明: 26年度は、1)の国内稠密観測網で得られたデータを降雨や他の落雷情報と比較し、計測量についての検討を行った。東南アジア地域の気象データの収集と、それらとの比較検討を開始した。5)台風と雷放電の関係の解明: 26年度は、台風強度の予測手法に用いる雷放電取データの整備を行った。6) 鉛直風と雷放電の関係の解明: 26年度は,3), 4)と合わせ、鉛直風、降水、雷放電の定量的な関係を把握することを目指したが、それらの作業に予想以上に時間を要したため、27年度の目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 観測網の整備・拡充と観測の実施については、観測点の数が予定よりも少なめになっているものの、ほぼ予定通り進行している。2) 落雷の位置評定及びエネルギー推定アルゴリズムの改良についても、精度向上に進展があり、実用に向けて着実に成果があがってきた。3) 豪雨地帯の進路予測アルゴリズムの開発と、4) 雷放電と降水量の定量的関係の解明、5)台風と雷放電の関係の解明については、データの収集、一時処理、整理などに時間を要し、これらに基づいた6) 鉛直風と雷放電の関係の解明は27年度の中心的課題として研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
上記、3) 豪雨地帯の進路予測アルゴリズムの開発と、4) 雷放電と降水量の定量的関係の解明、5)台風と雷放電の関係の解明について、昨年度データの収集、一時処理、整理などに時間を要したが、これらにほぼ目処がついたことから、それらに基づいた6) 鉛直風と雷放電の関係の解明を27年度の中心的課題として研究を進める。
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Research Products
(6 results)