2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24300003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50217189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克弘 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40213722)
小田 芳彰 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (90325043)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 安定結婚 / 安定マッチング / 離散凸解析 / 安定割当 / 国際研究者交流 / ハンガリー |
Research Abstract |
(テーマ2)「グラフ構造などより一般的な離散構造のマッチングモデルへの導入」に関して,主体集合を頂点集合として,財の譲渡が可能な主体の順序対を有向辺とする非巡回的有向グラフ上にマッチングモデル(2部グラフである特殊な非巡回的有向グラフ上のモデルとみなせるモデル)を拡張した.この拡張においては,評価関数として離散凸解析で中心的な役割を演ずるM凹関数の変種を用い,常に安定割当が存在することを構成的に証明した.すなわち,安定割当を求めるアルゴリズムを構築し,その計算量の評価も行った.この研究成果については,国際的な学術雑誌に投稿した. 上記の研究成果を拡張する方向性として,一般の有向グラフ上への拡張について研究を開始し,ある程度の成果を得ており,研究成果をまとめる段階である.(テーマ2)が当初の予想以上に広がりを持つ課題であるという認識を得ている. (テーマ3)「研修医は配属問題等の不均衡の是正」については,ボストンメカニズムを改良することで不均衡を是正するという発想に至り,理論面での見通しを得ている. 本研究課題の動機付けとなった研究成果について,国際研究集会[審査付き](The Second International Workshop on Matching Under Preferences)にて,成果発表をし,国外の安定マッチング理論の研究者との情報交換等を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度においては,(テーマ1),(テーマ2)の一部,(テーマ3)について取り組む計画であったが,(テーマ2)については一つの研究成果を完成し,もう一つの研究成果は,まとめればよい状況である.(テーマ3)については,理論的な見通しは立っており,理論面での細部の確認と計算機実験による有効性の確認へと移行できる状態である.(テーマ1)の進捗が遅れているが,一方で(テーマ2)での進展が予定以上であるため,おおむね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
(テーマ2)に関しては平成24年度で得た第2の成果について論文としてまとめ,更なる進展を目指す.これについては,平成25年度に海外共同研究者のTamas Fleiner氏を1ヶ月間招聘し,研究を推進する. (テーマ3)については,平成24年度に得た見通しに沿って理論的な細部を確認し,計算機実験によってその有効性を確認する.成果を論文としてまとめるとともに現実問題の解決へと展開することを目指す. (テーマ1)「Farooq-Fleiner-Tamuraのモデルの戦略的頑健性の研究」については平成25年度から本格的に取りかかる.(テーマ4)「離散凸解析と離散不動点定理の研究」および(テーマ5)「代替性と関連する離散構造の研究」についても準備を開始する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に得られた研究成果を6月に開催される国際研究集会JH2013にて発表する.その旅費として約30万円を外国旅費として使用する. 海外共同研究者のTamas Fleiner氏を8月から9月にかけて1ヶ月間招聘する.その費用として約40万円を予定している. その他,研究代表者,研究分担者の成果発表およぶ情報収集のための国内旅費を40万円,残額を資料整理のための人件費に使用する予定である.
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