2014 Fiscal Year Annual Research Report
時系列データ単語近似法の研究とそのスポーツ健康科学応用の創成
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24300039
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川越 恭二 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (40298724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 宏軒 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00572950)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 時系列データ / 情報検索 / 類似検索 / スポーツ応用 / エージェント / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は離散的多次元統合時系列データの類似検索精度の飛躍的向上と、離散的多次元統合時系列データ検索のスポーツ健康科学分野への新たな応用を創成することを目的とする。研究の3年目である今年度は、1. 数10次元の多次元データを用いた評価と、2.複数競技者スポーツ競技向け支援システムの構築に関するプロトタイプの試作と指導タイミング解析を主に行った。また、3. 本研究を進める上での基盤構築と関連技術の開発および応用開拓も合わせて実施した。まず、昨年度に実施した多次元化や離散データへの対応を基本に、離散データの次元を含めた数10次元規模の時系列データを用いた評価を行った。対象データとしてスポーツ競技への適用を想定しているため社交ダンス競技における約60次元の動作データを用いた分類精度の比較評価を実施した。評価の結果、従来方法と比べて短い計算時間で高い分類精度を有する結果を得た。また、離散的多次元時系列データのデータ縮約化に関しても昨年度実施した2次元データにしか適用できないDouglas-Peuker法から方向成分を考慮した方法に変更を行った。これにより精度を維持したままデータ量(時刻数)を減らすことが可能となった。スポーツ競技向け支援システムについては、アメリカンフットボールを対象とする指導支援システムプロトタイプの構築を行った。このシステムでは、過去のプレイをコーチ指示により自動分類し新たな戦略や現プレイ課題の発見が可能となる機能を時系列データ分類方式により可能とした。また、指導者エージェントが複数競技者の行動に適切に割り込んで適切な指示を行うことができるよう、人間同士の会話に割り込むための非言語情報とその解析方法の開発を行った。これらの研究成果をジャーナルや国際会議を中心に論文発表を行うとともにシステム構築に向けての基盤構築と基盤技術開発や新たな応用開拓を継続して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時系列データに関する技術開発は順調に進展しているが、スポーツ競技応用については、データ取得の困難さがある。このため、メモ等からの選手経路復元およびKinectによるモーションキャプチャを使用することとした。その結果、使用できるデータ件数は少なくなるものの開発した技術およびシステムの評価には支障が発生しないものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は本研究の最終年度である。以下に記する研究項目を行う予定である。 1. 離散的多次元時系列データ検索方法: 時系列データ単語近似法を実際の動き表現に対応させるために、100次元規模の超多次元時系列データの近似や類似検索が可能なように改善と評価を集中的に行う。さらに、離散事象を次元の一つとして扱うために必要な事象検出に関する新たな方法を開発しその評価を行う。継続して本時系列データ単語近似法の実装評価のための基盤環境の整備と国内外研究者との交流による技術深耕を実施する。 2. スポーツ健康応用研究: エージェントを使用した複数競技者スポーツ競技向け指導支援システムの試作を行う。このため、まず円滑なコミュニケーションのためのエージェントと人間による人間話者識別。会話介入タイミング検出等のこれまでに開発した方式の改善と適用化を行う。次に、これらの方式を用いて状況変化に適応可能なエージェントによる指導支援システムを実装する。最後に開発したシステムの評価を実施する。 3. 上記研究を、研究代表者、研究分担者、研究協力者(大学院生等)とで実施し、実際のスポーツ選手や経験者による実装システムの評価を行う
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Causes of Carryover |
下記の理由で次年度使用額が生じた。 1. 実験評価用テストデータ保存のための外付け磁気ディスクおよびディスクサーバの購入を予定していたが、テストデータの容量が既存磁気ディスクに格納できる容量であったことと、既存PCをサーバとして流用することで購入不要となったため。 2. 実験評価用テストデータ構築のためのソフトウェアの購入を予定していたが、専用プログラムの開発を行ったため、ソフトウェアの購入が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
下記のように当初予定の使用を行う。 1. テストデータの安定した保管を行うために外付け磁気ディスクおよび専用ディスクサーバの購入を行う。 2. テストデータ構築のための専用プログラムの改善および環境構築の費用として使用する。
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Research Products
(22 results)