2013 Fiscal Year Annual Research Report
アクション・リサーチによる公共図書館課題解決サービスのデザイン
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24300096
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田村 俊作 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (70129534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 智子 独立行政法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (20362957)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 情報サービス / 公共図書館 / 医療・健康情報サービス |
Research Abstract |
2012年度に引き続き医療・健康情報サービスを提供している全国の公共図書館への訪問調査を実施した。また,関連研究集会への参加や関係者へのヒアリングを行った。本年度はさらに,公共図書館を設置する全国の自治体に対して,質問紙による実施状況の調査を実施した。こうした調査を通じて,公共図書館の医療・健康情報サービスの実施状況,および,研修等サービスの基盤を把握した。 アクション・リサーチの一環として,近畿・四国地方の2地域において,連携によるサービスの立ち上げを働きかけた。うち1地域では病院の患者図書コーナーが動きはじめている。もう一つの地域では,公共図書館とがん相談支援センターの交流事業が企画された。第1回目の交流会が開催され,第2回目が2013年11月開催の予定だったが,都合により2014年7月に延期され,現在その準備中である。両地域とも継続的に連絡を取り,経過を記録している。 以上の調査と並行して,関連機関を訪問し,また文献により,地域における医療・健康相談ならびに情報サービスの現況を把握した。特に,地域の課題として健康問題に取り組んでいるところに重点的にヒアリングを行った。 本年度の検討を通じて,1. 全国実態調査により,医療・健康情報サービスの普及状況が明らかになった。身近なサービスとして普及しつつあるが,次のような課題の存在も指摘される。2. サービスの基盤として,新規サービスに対する担当者の知識と意欲の重要性が理解された。また,知識を獲得するための研修が重視されている一方,講師が少ないことも明らかになった。さらに,3. がんに関わって地域で展開されている医療・健康関係の制度の下で,公共図書館が関連機関と連携する上で,県立図書館や県のがん対策推進計画担当部署等,県の機関の果たす役割の重要性が改めて理解された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公共図書館の医療・健康情報サービスの実施状況の把握は予定以上に順調に進んでいる。2地域におけるアクション・リサーチについては,現地とのコミュニケーションが課題ではあるものの,おおむね順調に進んでいる。ただし,2013年11月に予定されていた交流会は2014年度に延期された。がん対策推進基本計画の下地域で展開されている相談支援と情報提供の状況,および公共図書館と医療機関等との連携事例の把握は順調に進んでいるが,実施事例が予想外に多かったため,なお一層密な訪問調査が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度のため,公共図書館の医療・健康情報サービスの実施状況に関する実態調査,公共図書館と医療機関等との連携の事例調査,アクション・リサーチ対象2地域におけるサービスの実施状況,のいずれについても,2013年度の研究を継続するとともに,その成果を取りまとめ,シンポジウムおよび報告書により公表すると共に,学会等において成果を発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年11月に予定されていた公共図書館とがん相談支援センターの交流会が2014年7月に延期されたため,関連した経費,及び関連した訪問調査・セミナーの経費が未使用となった。 本年度前半を中心に,交流会を開催すると共に,訪問調査を続行し,また,2014年11月に日本図書館協会健康情報委員会との共催でセミナーを開催する。
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Research Products
(3 results)