2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24300133
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
村山 繁雄 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50183653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 祐子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 臨床検査部臨床検査科, 医長 (60344066)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レビー小体病 / 免疫組織化学 / αシヌクレイン / ブレインバンク / プリオン / パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / 純粋自律神経不全症 |
Research Abstract |
本研究目的は、高齢者連続剖検例の全身の網羅的検討で、Lewy小体病理陽性症例について異常蛋白進展仮説を検証することである。昨年度は、Braakの進展仮説ではエントリーとされる、消化管病理に着目した。連続剖検例の検討からは、臨床的にパーキンソン症状ないし認知症を呈したLewy小体病例では、Lewy小体病理は消化管に全例存在した。しかし発症前症例では、胸部交感神経節と嗅球の病理が先行することを明らかにした。以上の検討を元に、レビー小体病疑診臨床例の、消化管手術既往標本を検討した。髄液HVA、5HIAA低値を示し、MIBG心筋シンチグラフィーないしドーパミントランスポーター低下を示す症例では、レビー小体病理は全例陽性であり、診断への有用性が確認された。研究で筆頭研究者は東京大学医学博士号を受けることが出来、英文誌に掲載された。 今年度は脊髄一次感覚ニューロンに注目した。パーキンソン病でrestless leg syndromeや痛みが出現することが知られているが、一次知覚ニューロンに注目した報告はない。高齢者ブレインバンク連続登録例を用い、仙・腰・胸・頸髄と後根、後根神経節を抗リン酸化αシヌクレイン単クローン・多クローン抗体で免疫染色することで、レビー小体病理の出現を検討した。その結果、レビー小体病理は後角、後根、後根神経節の順に伝播して行き、また尾側より頭側へ進展することが明らかとなった。本研究は、一次知覚ニューロンにレビー小体病理が出現すること、また軸索末端より逆行し、神経細胞体に到達する伝搬を示す可能性を示唆すること、さらに脊髄内では尾側より頭側に進展する可能性を示唆する結果であり、異常蛋白伝搬仮説を支持する知見と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は消化管に関する検討を行い、進展経路として発症以前より陽性所見を得ることを明らかにし、外科材料を検討することで、発症前診断が可能であり、かつ外科材料がある時には診断に利用可能であることを明らかにした。今年度はレビー小体病理が一次知覚ニューロンにも出現し、それが軸索を逆行し、かつ尾側から頭側へ伝搬することを明らかにした。今年後は嗅粘膜より嗅上皮への進展を、詳細に検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
中枢神経系・末梢神経系の凍結材料を含む病理検体の集積を継続するとともに、異常αシヌクレイン沈着の進展経路を今年度は嗅上皮より中枢に向けて、さらに詳細な検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東京都健康長寿医療センター・国立精神・神経医療研究センター間の、神経病理遠隔診断システム構築の機器開発が、ハードウェア、ソフトウェアの開発のため、最終年度にずれこんだため。 顕微鏡をインターネットを使い相互に台を動かし、画像を共有するステムを構築し、神経病理所見の均一化を図る予定で、システム構築を行っている。一応完成し走らせているが、問題点を抽出しつつ、ソフトウェア、ハードウェアのバーションアップを今年度行う予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Neuropathologic analysis of Lewy- related alpha- synucleinopathy in olfactory mucosa.2013
Author(s)
147. Funabe S, Takao M, Saito Y, Hatsuta H, Sugiyama M, Ito S, Kanemaru K, Sawabe M, Arai T, Mochizuki H, Hattori N, Murayama S
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Journal Title
Neuropathology
Volume: 33
Pages: 47-58
Peer Reviewed
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[Journal Article] Lewy body pathology in a patient with a homozygous Parkin deletion.2013
Author(s)
148. Miyakawa S, Ogino M, Funabe S, Uchino A, Shimo Y, Hattori N, Ichinoe M, Mikami T, Saegusa M, Nishiyama K, Mori H, Mizuno Y, Murayama S, Mochizuki H
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Journal Title
Mov Disord
Volume: 28
Pages: 388-391
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[Journal Article] YY1 binds to alpha-synuclein 3'-flanking region SNP and stimulates antisense noncoding RNA expression.2013
Author(s)
162. Mizuta I, Takafuji K, Ando Y, Satake W, Kanagawa M, Kobayashi K, Nagamori S, Shinohara T, Ito C, Yamamoto M, Hattori N, Murata M, Kanai Y, Murayama S, Nakagawa M, Toda T
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Journal Title
J Hum Genet
Volume: 58
Pages: 711-719
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[Presentation] Human prion diseases in Japan: a prospective surveillance from 1999.2013
Author(s)
Sanjo N, Higuma M, Hizume M, Nakamura Y, Kitamoto T, Yamada M, Sakai K, Nozaki I, Noguchi-Shinohara M, Hamaguchi T, Moriwaka F, Aoki M, Kuroiwa Y, Koyano S, Nishizawa M, Yokoseki A, Takeda M, Yoshiyama K, Inuzuka T, Abe K, Murai H, Murayama S, Takao M, Satoh K, Harada M, Saito N, Takumi I, Mizusawa H.
Organizer
The XXIth World Congress of Neurology
Place of Presentation
Vienna Australia
Year and Date
20130921-20130926
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