2014 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導バルクマグネットによる小型NMR(MRI)の開発
Project/Area Number |
24300185
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Research Institution | Railway Technical Research Institute |
Principal Investigator |
富田 優 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 研究開発推進室, 担当部長 (40462915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 博之 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (10203754)
関野 正樹 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20401036)
村垣 善浩 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70210028)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超伝導材料 / 超伝導マグネット / 磁場補正 / NMR / MRI / バルク材 / 樹脂含浸 |
Outline of Annual Research Achievements |
小型・高分解能のNMR(MRI)に対する需要が昨今高まってきている。本研究は、これらの社会的背景のもとで、高温超伝導バルク材を用いた、ポータブルNMR(MRI)システムの構築を目指し、研究を進めている。当該年度では以下の4点を主に研究を進めた。 ①バルク超伝導体を着磁したときの捕捉磁界分布に影響を与える、バルク超伝導体の臨界電流密度の磁界依存性を、簡易に評価する方法について検討を行った。その特徴は非破壊で磁界中冷却で捕捉可能な磁界を超える磁界に対する臨界電流密度を評価できることにある。その手法の臨界電流密度評価に精度に与える要素や課題等について整理を行った。 ②バルク超伝導体を着磁するときの過程をシミュレーションし,結果として得られる捕捉磁界分布を解析評価するための数値解析モデルと手法について比較検討を行った。A-φ法とH法の両方の手法で磁界中冷却による着磁とパルス着磁法の解析を行い、評価を実施した。 ③複数積層したリング状バルク体の冷凍機による冷却技術を確立し、50 Kに冷却することで、77 Kと比較して4倍を超える磁界を捕捉できることを確認した。 ④バルク超伝導体をNMR/MRI用のマグネットとして用いる場合には,超伝導特性の不均一に起因して,超伝導コイルと比較して大きな不均一が生じることが課題となる。この不均一を補正するため、リング型のバルク超伝導体の内側に置くことができる補償 (シム)コイルを開発した。Z方向にはカスプコイル、XおよびY方向にはゴーレイコイルによって、1次の傾斜を生成する巻線を設計し、バルク超伝導体に捕捉された磁界の分布の測定結果をもとに,電流などの仕様を決定した。FRPの巻枠に溝を設けてそこへ導線をはめ込む方法によってコイルを加工し、シムコイルが完成した。コイルに通電して磁界分布を測定した結果、1次の傾斜が得られることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
冷凍機冷却によるリング状バルク体の磁界捕捉、ならびに補償コイルによる磁界補正に目処がたち、おおむね計画通り進展できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
冷凍機冷却によるリング状バルク体を用いた磁場補正を実施し、ポータブルNMR(MRI)システムの構築を中心に行う。
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