2013 Fiscal Year Annual Research Report
視感覚と触感覚情報の融合に基づく高感性機能素材の質感評価と設計
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24300247
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
鋤柄 佐千子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (30216303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (50165784)
松平 光男 金沢大学, 学校教育系, 教授 (10142621)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 触感 / 布 / 質感評価 / 感性情報学 |
Research Abstract |
本研究は、素材のもつ「質感」、特に高感性機能素材の質感評価と設計を最終目標とする。そのため布から得られる視感覚や触感覚情報に関係する、有効な特性値の抽出を目的に実験を進めた。試料は、絹のちりめん、綿の高島ちぢみ、パイル織物で、当初計画した複合織物については布の収集のみである。本年度の主な結果を以下に示す。 1) 織物構造と光の反射パターンの関係(視感覚を主に想定した評価方法の提案) 西陣織物の織柄の特徴を識別できる光の入射角、受光角、さらに試料を回転させながらL*分布を測定する方法を用いた結果を論文にまとめ投稿した。本年度は、この西陣織物の織柄をポリエステルフィラメント糸で製作し、その際よこ糸の色を変えることで織物構造と色の両者が光の反射特性に及ぼす影響を視感評価実験も含め検討した。 2)表面に凹凸をもつ伝統織物(ちぢみ)の質感評価(触感覚を主に想定した特性値の提案)絹ちりめんのやわらかさとなめらかさが布の段階で衣服のシルエットとの関係を予測する上で有効な特性値であることがわかった。綿の高島ちぢみを試料とし、力学量と風合いの関係を標準環境条件の下で明らかにした。一般に「高島ちぢみは、吸湿してもさらっとした触感がある」と言われるが、その要因をしぼによる形状効果の影響と綿素材の吸湿性能変化から考察した。室温で湿度を20%RHから90%RH、さらに水中環境下での糸、および布の伸長―回復試験を行った。その結果、伸長特性の増加が、70%RH付近でみられた。しぼにさらに加工を加えピケを付加した試料の結果より、形状効果の影響の大きさを明らかにした。 3)布の触感への触り方の影響を数値化するため、ウェアラブル接触力センサーを指に装着し、白のパイル布を触ったときの触圧、加速度を測定し、パイルの長さとの関係を解析した。ひとはパイルの長さによって圧力を変えていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験設備がほぼ整備され、実験が順調に進むようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
布の質感を表すための、視感、触感にかかわる特性値が明確になりつつあるので、今後はそれをどのように高感性機能素材布の設計にむすびつけるかについての、研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Textile Resaerch Journalに投稿した論文が、審査中であり、このために準備した投稿料が未使用となった。 論文が掲載された時の、掲載料として使用する。
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Research Products
(13 results)